痛みは感情と感覚が合わさったものといわれています。
慢性痛改善には痛みと真正面から対峙するのではなく、視点を変えてみるとよいと考えられています。
ACTでイキイキした生活を第一に考えてみることで前頭前野を正常な状態に戻し痛みと上手く付き合うのがポイントです。




■前頭前野について

前頭前野(ぜんとうぜんや)の主な働きは論理的な思考です。
物事を判断したり評価したりするときによく働きます。
また感情をコントロールする役割もになっています。
つまり前頭前野は人間が社会的な行動をするためになくてはならない脳の司令塔になります。

■前頭前野と痛みの関係

私たちが痛いと感じるかどうかを決めているが前頭前野になります。
皮膚などからの刺激が信号となって脳に伝わり痛みの刺激として前頭前野に伝わり、伝わってきた刺激を「どのくらい不快か」を判断します。
人間が感じる「痛み」は感覚的な刺激と不快感のような嫌な感情が合わさったものと考えられています。
そのため感情を司る前頭前野が重要になってきます。

ケガや病気が治っているはずなのに脳の中に痛みの刺激が残ってしまうことがあります。
こうなると前頭前野の不快は治まることなく痛みもどんどん強くなることがあります。

■慢性の痛みが脳の萎縮を引き起こす

ある論文では慢性痛の患者さんの前頭前野などの脳の体積が5〜11%減少していたという報告もあります。

■通常の痛みと慢性痛の違い

通常の痛みは、どこかに病気があるんじゃないか、どこかケガをしたんじゃないかということを知らせてくれるサインでもあります。
そのため早く原因をつきとめて治すことが可能です。

慢性痛は普通の痛みと違います。
慢性痛は傷が治っても痛みが続いたり、傷が見当たらないのに痛みが続いたり、傷が治らずに痛みが続いたりします。



■慢性痛は痛みに振り回されている状態を認識することがポイント

通常の痛みは原因を突き止めて治すことが可能ですが、慢性痛は痛みがずっと続くため痛みに真正面から向き合って対抗しようとしていると疲れてきます。
痛みと付き合うコツをみつけることが大切になります。

痛いときに浮かんでくる悩みをカードに書きます。
そのカードを自分から離して距離を取っていくとカード以外にも周りに景色が見えていることに気が付きます。
こうした体験が痛みと付き合うきっかけになったりします。

自分が本当にやりたかった楽しいこと、生き生きすることをやっていくことがポイントです。

まず初めに痛みをなくすことをやろうとしますが、痛みは痛みとしていったん置いておき、イキイキとした生活を送ることを目指してみます。

ACTは痛みを軽減するのではなく、痛みを処理する能力を改善して痛みについて違った考え方を持つようにします。
結果的にACTは前頭前野を活性化させることにつながります。

痛みの受け止め方を変えてイキイキとした生活に目を向けることで不安が減り、前頭前野が正常な状態になり痛みと上手く付き合っていけるようになります。

■前頭前野に作用する認知行動療法で慢性痛を改善

・日記
・瞑想

●日記で慢性痛を改善
起こった出来事、感じた気持ち、そのときにとった行動と痛みの強さを日記に記録します。
ありのままを書いて客観的に見返してみます。
あまり痛みを感じなかった行動や痛くても出来た行動があることに気が付くことができます。
自分の痛みの成り立ちを客観的に認識することも前頭前野を元気にするきっかけになります。
さらにこの日記を続けると自分にとって本当に楽しい活動が何かを改めて知ることができます。

●瞑想で慢性痛を改善
楽な姿勢で座り目を閉じます。
自分の呼吸に意識を向けます。
息を吸っていること吐いていること、
お腹が膨らむこと、
腹の中を空気が通ること、
集中し呼吸の様子を観察します。
雑念が出てきても無理に払おうとせず、落ち着いてからまた呼吸に集中します。
1日1回、3分くらいからおこないましょう。
この瞑想を続けることで前頭前野が元気になっていく可能性があります。
ひとつの物事に集中することで余計な思考から解放され前頭前野がリラックスすると考えられます。