関節リウマチは関節が激しく痛み腫れあがる病気です。
ひどくなると手足の関節が変形して戻らなくなってしまい、日常生活に支障を来たしてしまいます。
関節リウマチは老人の病気と思われがちですが、若い女性にも発症が多くなっています。
関節リウマチは早期に診断して早期に治療を開始すれば寛解(かんかい)に持ち込める確立が高くなると考えられています。




■関節リウマチについて

関節リウマチとは、何らかの原因で関節の中にある滑膜(かつまく)と呼ばれる部分に炎症が起こる病気をいいます。
炎症の原因は免疫の誤作動と考えられています。
本来免疫は自分の体を守るために働く仕組みですが、関節リウマチの場合は自分の滑膜を敵とみなして攻撃してしまいます。
滑膜に炎症が起こると、滑膜が厚くなったり関節の隙間にある関節液が増えたりして関節の腫れや痛みが起こります。
さらに長い間にわたって炎症が続くと骨や靭帯などが破壊されて関節の変形を引き起こしてしまいます。
関節の隙間が骨の破壊により埋まったりします。
関節の炎症がひどいほど関節の変形が起きやすくなります。
ひどい場合は1〜2年で関節の変形が起こってきます。
早期治療できれば関節の変形を起こしにくくすることも可能で、症状が抑えられ進行しない寛解(かんかい)の状態に持ち込めるといわれています。

関節リウマチの80%は女性となっています。
男性の関節リウマチは内臓の合併症が多いといわれています。
肺の病気、間質性肺炎、動脈硬化が進みやすいといわれています。

■関節リウマチの発症要因

関節リウマチになりやすい体質があり、そういう遺伝子をいくつか持っている人に何らかの要因が加わり免疫の誤作動が起こると考えられています。
外的要因としては、外傷、喫煙、歯周病、妊娠、出産などがあります。

■血液検査で関節リウマチを早期発見

血液検査で抗CCP抗体が検出された場合は、関節リウマチの可能性がかなり高いと考えられます。
早く発見することで関節の変形を抑えることが可能です。

■関節リウマチの検査

・問診
・触診
・X線検査
・血液検査
・関節超音波検査

●問診
いつ頃から、どの関節に、どんな症状があるかということを中心に聞いていきます。

●触診
実際に触れてみて腫れているかどうか、どこの関節が腫れているかなどを診て行きます。
滑膜が腫れているとゴムのような弾力を感じたりします。

●X線検査
進行した関節リウマチでは軟骨が磨り減るなどの変形をみることができますが、早期の場合は変形をみることができません。
X線検査は早期の診断には有効でなありません。

●血液検査
CRP:体の中の炎症を示す検査です。
赤沈(せきちん):体内の炎症の強さを調べます。
リウマトイド因子:関節リウマチの患者さんに出てくるタンパク質で、陽性の場合はリウマチの可能性が高くなります。
抗CCP抗体:陽性だと関節リウマチの可能性がかなり高くなります。

●関節超音波検査
炎症があると血流が増えるため、それにより炎症を見つけます。
関節超音波検査であれば早期でも見つけることが可能です。



■関節リウマチを疑う症状

・痛み+腫れ
・こわばり

関節リウマチは関節の炎症が起こるので、痛みだけではなく関節の腫れもあることが発見に大切になります。

早期の症状で注意した方がよいのが「こわばり」で、手を曲げるときや伸ばすときに力が要ります。
しばらくしているうちに段々こわばりが取れてきますが、関節リウマチではこわばりが30分〜1時間続きます。
関節リウマチでは朝にこわばりが起こりやすいとされています。

関節リウマチの症状は手足の関節に多く、背骨や指の第一関節にはほとんどありません。
手の指以外には、手首、ひじ、肩、股関節、ひざ、足首、足のゆびに起こります。

■関節リウマチの治療法

関節リウマチの治療は薬物療法になります。

●痛み止め
・消炎鎮痛薬
・ステロイド

●抗リウマチ薬
・メトトレキサート
・生物学的製剤
・分子標的薬

●メトトレキサート
免疫の働きを抑制して症状を抑えます。
1〜2ヶ月ほどで効果が期待できるそうです。
副作用としては吐き気、だるさ、肝機能障害、感染症などがあります。
抗リウマチ薬は痛みがなくなっても長い間飲み続ける必要があります。
十分効果が得られたら量を減らしたりすることもできます。
メトトレキサートは妊娠中や妊娠を希望している人は飲めません。

●生物学的製剤
炎症のもととなっているサイトカインという物質にくっついて炎症を抑えます。
点滴や皮下注射します。
薬剤によっては高額療養費制度や傷病手当金制度などの医療費支援制度が利用できることもあります。

●分子標的薬
リウマチで悪さをしているタンパク質を直接抑えるような飲み薬です。
生物学的製剤が効かない人でも効いてくる可能性があります。

■1日に数回は全ての関節をできるだけ伸ばす・曲げる

関節リウマチは関節が痛くなる病気なので動かさなくなりがちです。
するとだんだん関節が固まってきて筋力も低下しがちです。
寝たきりの原因の多くは筋力低下にあります。
それが起きないようにある程度関節を動かすことも大切になります。
1日に何回かは全ての関節をできるだけ伸ばす・曲げることも大切です。
腫れて熱をもっているときは避けた方がよいです。

■関節リウマチの治療の名医(2017年10月時点)

東京女子医科大学付属
膠原病リウマチ痛風センター所長
山中 寿(やまなか )