慢性膵炎になると膵臓ガンのリスクが約12倍にもなります。
慢性膵炎は長い年数をかけて進行していくため完全に治ることはありません。
ただし早期発見すれば慢性膵炎の進行を止められる可能性もあります。
腹痛(上腹部)・背中の痛み・嘔吐や吐き気などの症状が出たらすぐに医療機関を受診しましょう。




■慢性膵炎(まんせいすいえん)について

慢性膵炎(まんせいすいえん)は急性膵炎と違って長い年数をかけてゆっくり進行していく病気です。
急性膵炎の多くは完治しますが、慢性膵炎は通常完全に治ることはありません。
膵臓の組織が長い間に少しずつ壊れていき再生しにくいためです。
慢性膵炎になると膵臓ガンのリスクが高まるといわれています。
慢性膵炎のほとんどの場合は治らずに進行していきますが、早期発見すれば進行を止められる可能性もあります。

慢性膵炎では自己消化が長い年月をかけてゆっくり進行していきます。
それにより膵臓の組織が少しずつ壊れていきます。
不規則な繊維化が起こり、膵管が拡張して膵管の中に膵石(すいせき)と呼ばれる石が出来てきます。
その結果、膵臓全体が硬くなって萎縮していきます。
やがて食べ物を消化する働きも失われていきます。
慢性膵炎が進行すると膵液自体が分泌されなくなり、やがて食べ物を消化する働きも失われていきます。

■慢性膵炎の原因

・アルコール
・原因不明

男性はアルコールが原因の70%以上ですが、女性は30%ほどとなっています。
原因不明な場合は男性が10%ほどですが、女性は50%近くが原因不明となっています。

慢性膵炎では飲酒を継続することにより、アルコールやアルコールの代謝に伴って膵臓の酵素を作る細胞が障害されたり、分泌する膵液が酸性に傾くなどの変化が年単位で積み重なってゆっくり自己消化が起こっていきます。
飲酒量が増えるほどリスクが増加していきます。
女性は飲酒量が男性よりも少なくても慢性膵炎を起こしやすいといわれています。

■膵液のメカニズム

食べた物は胃で粥状になった後に十二指腸へと送られます。
すると十二指腸は膵臓に指令を送り、膵液をすい管から十二指腸へと分泌します。
そして膵液によって食べた物が消化されて吸収されます。

膵液は膵臓の中では消化する力を持たない形で作られて蓄えられています。
十二指腸に分泌されて初めて活性化して食べ物を消化します。
しかし何らかの原因で膵液が膵臓の中で活性化すると、膵液が膵臓自体を溶かしす自己消化が起こります。



■慢性膵炎の症状(初期)

・腹痛(上腹部)
・背中の痛み
・嘔吐や吐き気

初期の腹痛は飲酒や暴飲暴食・脂肪の多い食事などがきっかけとなって起こります。
5〜10年かかって初期から後期に進行していきます。

■慢性膵炎の症状(後期)

・腹痛は軽減
・下痢
・脂肪便
・体重減少
・糖尿病の発症

進行していくと膵臓の組織が壊れてなくなっていくので自己消化や炎症を起こしにくくなるため腹痛は軽減していきます。
膵液の分泌もされにくくなるので、下痢や脂肪便、体重減少などが現れてきます。
便は量が多く白っぽく、においや粘りが強くなります。
膵臓自体も壊れるので血糖値を下げるインスリンの分泌も低下して糖尿病が起こりやすくなります。

■慢性膵炎の早期発見

慢性膵炎は早期の段階で発見できれば進行を止められる可能性があります。
超音波内視鏡検査を口から胃まで挿入し、胃や十二指腸の壁を通して膵臓に超音波を当てて診断します。
急性膵炎を起こしたことがある人、大量飲酒する人で飲酒や過食後に上腹部に痛みや不快感がある人は超音波内視鏡検査がすすめられます。

■慢性膵炎の治療法

・禁酒
・禁煙
・食事療法
・薬物療法
・膵石の除去
・膵のう胞の治療
・糖尿病の治療

禁酒や禁煙が基本となります。

●食事療法
初期には腹痛対策として、脂肪の多い物・香辛料・炭酸飲料などを避けるようにします。
後期には消化吸収が低下してくるので、十分な消化酵素を投与しつつ消化のよい食事を規則正しく摂り、適切なエネルギー量を確保するようにします。
またビタミンが欠乏しやすくなるのでビタミンを補うようにします。

●薬物療法
・鎮痛薬
・消化酵素薬
・胃酸分泌抑制薬
・タンパク質分解酵素阻害薬
・ビタミン剤

●膵石の除去
衝撃波発生装置で体の外から膵石を細かく破壊して流し出します。

●膵のう胞の治療
膵管が破れて膵液が漏れ、膵臓やその周辺に液体が溜まった袋状のものができます。
内視鏡などで袋の中の液体を取り除いてのう胞を小さくします。
場合によっては外科的な治療を行います。

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