急性膵炎の年間患者数は約63000人といわれています。
男性は女性の約2倍ほど多く、30代から増加して男性は60代、女性は70〜80代に最も多いといわれています。
アルコールを摂り過ぎると共に急性膵炎の発症リスクが上がっていきます。
脂質の摂りすぎや暴飲暴食は胆石が出来やすくなり急性膵炎の発症リスクが上がっていきます。
急性膵炎は軽症であれば1週間程度で完治しますが、重症化すると数ヶ月かかることもあります。
睡眠不足やストレスを避けるように規則正しい生活を送ることも急性膵炎予防に大切になります。




■膵臓について

膵臓の役割には、消化液である膵液の分泌、血糖を下げるホルモンのインスリンの分泌することがあります。
膵臓はみぞおちの少し下、胃の裏側あたりにあります。
長さは15cm〜20cm、幅は3cm〜4cmほどになります。

■急性膵炎

急性膵炎は突然起こる膵臓の炎症のことをいいます。
膵臓がむくんで腫れたり、炎症が強い場合には膵臓の血流がなくなって組織が壊死してしまうことがあります。
急性膵炎では、膵臓で作られた消化酵素が自分の膵臓や周囲の組織を消化してしまう自己消化が起こります。
経験したことがないような激しい腹痛が突然起こり、重症化すると死亡する危険もあります。

■急性膵炎の原因

・アルコール
・胆石

急性膵炎の原因としては、アルコールや胆石が考えられます。

●アルコールが急性膵炎の原因
1日にアルコール40g(ビール中瓶2本。日本酒2合)以上で急性膵炎の発症が3.1倍になると考えられています。
さらに飲む量が多くなるほど急性膵炎の危険性が高くなります。
女性は飲酒の量が男性よりも少なくても急性膵炎を起こしやすいといわれています。

●胆石が急性膵炎の原因
胆石は胆汁と呼ばれる消化液関係しています。
胆汁は肝臓で作られ胆嚢に貯蔵されていますが、食事の後は胆管を通って十二指腸に出て膵液と共に食べた物を消化します。
胆汁の成分が胆嚢や胆管で石のように固まって出来るのが胆石です。
胆石が胆汁と共に流れていくと、胆管の十二指腸の出口が狭いために胆石が詰まったり傷ついたりして炎症を起こすことがあります。
すると胆汁と膵液は出口が一緒のため、詰まった胆石により膵液の流れが塞き止められてすい管の圧が上昇したり、胆汁がすい管内に逆流したり、胆管の出口からすい管に炎症が広がって急性膵炎が起こると考えられています。

■膵液が分泌する消化酵素

・アミラーゼ
・トリプシン
・リパーゼ

急性膵炎は、膵液による自己消化が起こります。
膵液とは膵臓が分泌する消化液のことで3つの消化酵素があります。
アミラーゼは炭水化物を分解する消化酵素です。
トリプシンはタンパク質を分解する消化酵素です。
リパーゼは脂質分解する消化酵素です。

■膵液のメカニズム

食べた物は胃で粥状になった後に十二指腸へと送られます。
すると十二指腸は膵臓に指令を送り、膵液をすい管から十二指腸へと分泌します。
そして膵液によって食べた物が消化されて吸収されます。

膵液は膵臓の中では消化する力を持たない形で作られて蓄えられています。
十二指腸に分泌されて初めて活性化して食べ物を消化します。
しかし何らかの原因で膵液が膵臓の中で活性化すると、膵液が膵臓自体を溶かしす自己消化が起こります。



■急性膵炎の症状

・上腹部の激痛
・背中の痛み
・吐き気や嘔吐
・発熱

急性膵炎は死亡することもある病気なので、これまで経験したことがない激しい痛みが起こったらすぐに医療機関を受診しましょう。
アルコールを良く飲む人や胆石を持っている人は急性膵炎も疑った方が良いです。
急性膵炎の症状は、アルコールを飲んだり暴飲暴食をした後から数時間〜半日後に症状が出やすいです。

■急性膵炎の治療法

急性膵炎と診断されたらすぐに入院して治療します。
膵臓の安静を保ち、激しい痛みを和らげる治療を行います。
軽症であれば1週間程度で完治します。
重症の場合は、専門の医療機関で集中的に治療し全身を管理します。
入院は1ヶ月〜6ヶ月程度かかります。

●絶食
食事により膵液の分泌が起こらないようにします。
水を飲んでも腸が刺激され膵液が分泌されるので、口から水を飲むことも止めます。

●十分な輸液
炎症により全身の血管が障害されて血液中の水分がどんどん血管の外へ漏れるので水分を補うために輸液を行います。

●腸管への栄養
重症の場合は鼻から胃や腸に管を入れて栄養分を腸へ与えます。

●血液透析
膵炎のために腎臓の働きが悪くなると血液透析を行います。

●薬による治療
激しい痛みに対して鎮痛薬を使います。
重症の場合は感染症予防のために抗菌薬を使います。
膵液の活性化を抑えるためにタンパク質分解酵素阻害薬を使います。

●胆石の治療
胆石が原因で黄だんがみられるような場合は、内視鏡で胆石を取り除いたりします。
またステントという細いチューブを中に入れて胆汁の流れを良くしたりします。

●炎症や壊死による残骸の除去
重症の急性膵炎だと組織が壊死して細菌の感染が起こりやすくなるので、細菌が含まれるような壊死物質を取り除きます。

■急性膵炎の再発予防

急性膵炎は再発しやすい病気なので完治後も注意が必要です。
再発を繰り返すと膵臓のダメージが元に戻らない慢性膵炎に移行することがあります。
アルコールが原因の場合は禁酒が重要になります。
胆石が原因の場合は、急性膵炎の治療後あまり時間を置かずに胆嚢を摘出することが強くすすめられます。
胆嚢を残すと急性膵炎を起こしやすくなります。
タバコは急性膵炎の発症リスクを上げると考えられているので禁煙が大切です。
食事では暴飲暴食をしない、脂肪の多い食事をしない、消化のよういものを中心にするなどが大切になります。
睡眠不足やストレスを避けるように規則正しい生活を送ることも大切になります。

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