60歳以上で慢性的に肩の痛みが続いている場合は腱板断裂(けんばんだんれつ)を起こしている可能性が高いです。
適切な治療を行えば腱板断裂(けんばんだんれつ)があっても痛みや動きの悪さを解消することが可能です。
腱板断裂の原因には加齢・肩の酷使・ケガ・体質などが考えられます。
腱板断裂の運動療法では、断裂の悪化、痛みの悪化に注意するため医師や理学療法士の指示を受けて行いましょう。




■腱板断裂(けんばんだんれつ)について

腱板断裂(けんばんだんれつ)は加齢が主な原因で、60歳以上の4人に1人が腱板断裂を起こしているといわれています。

肩の上側には棘上筋(きょくじょうきん)があり、前側には肩甲下筋(けんこうかきん)があります。
肩関節ではこうした筋肉の腱が集まって板のように見えるため腱板(けんばん)と呼ばれています。
腱板が加齢などに伴ってもろくなり、そこに肩の負担が加わることですり減ったり裂けたりして腱板断裂が起こります。
腕の上げ下げをするときは棘上筋に一番負担がかかるといわれているため、ここに腱板断裂が起きやすいといわれています。

腱板断裂がある人の6割は症状を感じないといわれています。
多くの場合、腱板断裂はゆっくり進行していくため炎症が起きず痛みが出にくいと考えられています。
また切れた腱以外の他の筋肉を上手く使うために動いてしまうことが考えられます。
しかし腱板断裂がある以上、腕の使い過ぎやケガなどのきっかけがあると痛みを感じやすくなることがあります。

■加齢が腱板断裂の原因

・加齢
・肩の酷使
・ケガ
・体質

●加齢が腱板断裂の原因
加齢により腱板を構成しているコラーゲンがもろくなり切れやすくなると考えられています。
また加齢により上の腱板が滑り込んでいくスペースが狭くなることで摩擦が起きて腱板が切れやすくなるといわれています。

●肩の酷使が腱板断裂の原因
農業や林業をする人や腕を使うスポーツ選手の人は肩の負担がかかりやすいので、腱板が切れやすくなるといわれています。

●ケガが腱板断裂の原因
転倒や手の打撲などで肩に強い衝撃が加わると腱板が切れることがあります。

●体質が腱板断裂の原因
外傷も無いのに40代のうちから腱板断裂が発生している人もいます。
こういう人は体質が関わっていると考えられています。



■腱板断裂の治療法

・薬物療法
・運動療法
・手術療法

●薬物療法
痛みを緩和するために非ステロイド性消炎鎮痛薬の飲み薬や貼り薬が使われます。
夜間の痛みに対してはトラマドール、プレガバリンなども使われます。
痛みが強い場合はステロイド注射やヒアルロン酸注射を行うことがあります。

●運動療法
運動はやり方によっては断裂を悪化させたり、痛みを強めることがあるため、医師や理学療法士の指導を受けた上で行います。

●手術療法
薬物療法や運動療法でも痛みや動きの悪さなどの症状を十分改善できない場合は手術療法を検討します。
手術療法で多いのが腱板修復術で、上腕骨の骨頭に糸の付いたアンカーというネジをねじ込み、糸を腱板に通して骨に縫い付けます。

■腱板断裂の治療法(運動療法)

●断裂していない前側・後ろ側の腱板のリラックスとトレーニング
イスに浅く腰掛けます。
断裂した手と反対側の手を断裂した肩の出っ張ったところの少し下の部分にある棘下筋(きょくかきん)の付着部を軽く押します。
その状態で断裂した腕を外側・内側にゆっくり回します。

●断裂していない前側・後ろ側の腱板のトレーニング
腱板断裂がある側の前腕をテーブルに置きます。
その手の平に反対側の握り拳を当てます。
握り拳で押すようにして、その力に逆らって断裂している側の肩を内側に回していきます。
ここで3秒保ち、元に戻します。

こんどは断裂している手の甲側に反対側の手の当てます。
体の手前に持ってきて、手前に引き付ける力に逆らいながら断裂している側の腕を前側に回していきます。
ここで3秒保ち、体の手前に戻します。

●肩の固まりを予防する体操1
両手をテーブルの上に置きます。
鼻から息を吸いながら、みぞおちをへこませて背中を丸めて3秒間保ちます。
口から息を吐きながら、ゆっくり胸を張り3秒間保ちます。

●肩の固まりを予防する体操2
テーブルにタオルを広げ、その上に両手を肩幅ぐらいで置きます。
軽く手でテーブルを押しながら体を前屈していきます。
肩の痛みを我慢できるところまでゆっくり前屈して3秒間保ちます。
ゆっくり元に戻ります。

五十肩と腱板断裂の違い!肩こり・五十肩・腱板断裂の解消ストレッチ

肩の病気と肩こりについて!五十肩・腱板断裂・石灰性腱炎