■突然死について

突然死とは、急に起こった症状によって突然意識を失い死亡することをいいます。
原因の病気は様々ですが、最終的には心臓に起こる異変が命を奪ってしまいます。
いつどうのように起こるのか予測が難しく運動中・安静時。睡眠中でも突然死が起こる可能性があります。
突然死は高齢者に多いですが若い人でも起こる可能性があり、元気だと思っても隠れたリスクを抱えていて突然死することがあります。




■心室細動(しんしつさいどう)について

多くの場合、心臓に心室細動(しんしつさいどう)という危険な不整脈が起こっていることが多いです。
心臓は上の2つの心房と下の2つの心室からなり、心室は全身に血液を送り出し、心房は補助装置のような役割を果たしています心室細動(しんしつさいどう)とは、心室が細かく震えてけいれんしたような状態になり、全く血液を送り出すことができなくなる状態をいいます。

正常な心臓は収縮と拡張を規則正しく繰り返して全身に血液を送り出しています。
しかし心室細動を起こすと1分間に500回前後震えているだけで、血液は全く送り出せていない状態になります。
そのため心室細動が起こり脳に新鮮な血液が行かなくなると20〜30秒ほどで意識を失い、さらに数分以上続くと死亡に至ってしまいます。
また心臓の血液が途絶えると全身の臓器も障害され、やがて心臓も止まって死に至ることにつながります。

■心室頻拍(しんしつひんぱく)について

心室頻拍(しんしつひんぱく)とは、非常に脈拍が早く心臓が十分に血液を送り出せていない状態をいいます。
心室頻拍から心室細動に移行して突然死につながることもあります。
特に30秒以上続く持続性心室頻拍は危険だといわれています。

●心室頻拍の症状
・動悸
・息切れ
・めまい
・失神

■突然死につながる病気

・心筋梗塞
・狭心症
・心筋症
・遺伝性不整脈

心筋梗塞や狭心症は突然死の50〜60%を占めています。
心筋症は突然死の30〜35%を占めています。
遺伝性不整脈は突然死の10%を占めています。
突然死する人のうち、男性では4〜5割、女性では6〜7割が突然死の前に自分が病気だと気付いていないといわれています。

●心筋梗塞や狭心症
心筋梗塞や狭心症は心臓の筋肉がしなっている冠動脈に動脈硬化が進展して起こる病気になります。
最終的に血栓で冠動脈が詰まってしまう状態が心筋梗塞です。
冠動脈が狭くなって心臓の筋肉が酸素不足になる状態が狭心症です。
心筋梗塞や狭心症は自宅でそのまま亡くなる人もいますが、多くの場合そこで心室細動が起こっています。

心筋梗塞を起こすと血液を送り出す機能が低下して心不全を起こしやすくなります。
心不全状態になると心室頻拍や心室細動といった致死性不整脈が起こりやすくなり突然死が起こりやすくなります。

●心筋症(しんきんしょう)
心筋症(しんきんしょう)は心臓の筋肉自体の異常で、致死性不整脈を起こして突然死が起こりやすくなります。
心筋症には、肥大型心筋症、拡張型心筋症、不整脈源性右室心筋症などがあります。

●遺伝性不整脈
遺伝性不整脈は遺伝子の変異によって発症します。
血管や筋肉の異常はありませんが、危険な不整脈を起こして突然死が起こりやすくなります。
遺伝性不整脈には、先天性QT延長症候群、ブルガタ症候群、カテコラミン誘発多形成心室頻拍などがあります。



■心筋梗塞・狭心症対策

心筋梗塞や狭心症による突然死を防ぐためには、最大の原因である動脈硬化の危険因子を避けることが大切になります。
心筋梗塞や狭心症は高齢者や男性に多いので注意しましょう。

●動脈硬化の危険因子
・食べ過ぎ
・運動不足
・喫煙
・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症
・肥満

生活習慣を改善し、高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満などがあればこれを治療します。

■心筋梗塞・狭心症の危険な自覚症状

・胸痛
・息切れ
・全身の倦怠感
・手足のむくみ
・動悸
・失神

●胸痛
胸痛は心臓の血管が狭くなり血流が不足していることが考えられます。
胸痛がみぞおち・肩・歯・アゴの痛みとして感じられることもあります。
激しい胸痛が10〜20分以上持続する場合は心筋梗塞の可能性があります。

●心不全
息切れ・全身の倦怠感・手足のむくみは心不全の疑いがあります。
すでに心筋梗塞を起こした人に多く突然死を招きやすくなります。

●動悸・失神
動悸や失神は危険な不整脈がすでに起こっている疑いがあります。

■心筋梗塞・狭心症の検査

・運動負荷試験
・心臓超音波検査
・CT検査・核医学検査
・冠動脈造影検査

●運動負荷試験
心電図を記録しながらベルトの上を歩いたり自転車をこいだりして負荷をかけ、胸の痛みの有無や心電図の異常の有無を検査します。

●心臓超音波検査
心臓の動きの悪いところはないか、心筋の肥大がないかなどを調べます。

●CT検査・核医学検査
血管や心筋の状態を画像として見て調べます。

●冠動脈造影検査
カテーテルで冠動脈に造影剤を注入してX線撮影して心臓の血管の詰まりや狭い場所がないかを調べます。

■心筋梗塞・狭心症の生活上での注意点

・ストレスをためない
・激しい運動を避ける
・禁煙
・寒い季節や午前中は心筋梗塞に要注意
・心筋梗塞の原因となる病気の治療