加齢性難聴は加齢と共に高い音が聞こえにくくなるもので、誰にでも起こりうるものです。
蝸牛の中の高い音の有毛細胞が壊れていくために高い音が聞こえにくくなっていきます。
糖尿病・動脈硬化・高血圧・脂質異常症・喫煙・飲酒・騒音などの加齢性難聴の悪化要因に注意することが予防につながります。
補聴器を使っても問題があるときは遺伝性難聴の場合があるので医療機関を受診しましょう。




■加齢性難聴(かれいせいなんちょう)について

加齢性難聴(かれいせいなんちょう)とは、年齢以外に特別な原因がない難聴をいいます。
加齢と共に高い音が聞こえにくくなっていきます。
加齢性難聴は誰にでも起こりうる難聴です。
60歳代前半では5〜10人に1人、60歳代後半では3人に1人、75歳以上では7割以上の人が加齢性難聴になるともいわれています。

加齢性難聴は老化現象であり、聞こえに関する様々な場所が老化によって機能低下を起こして起こります。
加齢性難聴になると内耳の機能低下を起こし、さらに言葉を理解する脳の機能低下も起きてきます。

私達は振動のエネルギーを蝸牛(かぎゅう)の中の有毛細胞(ゆうもうさいぼう)が電気エネルギーに変換して聞いています。
正常であれば有毛細胞がきれいに並んでいますが、有毛細胞が壊れていくと難聴になってしまいます。
加齢性難聴は蝸牛の手前側の高い音を感知する有毛細胞から壊れていくので高い音から聞こえにくくなっていきます。
加齢性難聴は両方の耳の蝸牛の障害が同時に起こります。
有毛細胞は壊れてしまうと再生しないため予防が大切になります。

■加齢性難聴による影響

加齢性難聴を放置すると、外出先で周りの音が聞こえないために事故に合いやすくなる。
災害時に緊急を知らせる警報が聞こえない。
難聴が続くと認知症を引き起こしやすいという研究報告もあります。

■加齢性難聴を悪化させる要因

・糖尿病
・動脈硬化
・高血圧
・脂質異常症
・喫煙
・飲酒
・騒音

糖尿病があると加齢性難聴が悪化するというデータがあります。

動脈硬化・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病が続くと内耳や脳の血流障害が起きやすくなるといわれています。
喫煙・飲酒・騒音などがあると活性酸素などの細胞を障害させる酸化ストレスが発生して正常な組織を壊してしい難聴が起こりやすくなると考えられています。

脳の血流障害が持続すると脳が萎縮して認知症を起こしやすいといわれています。
加齢性難聴を早期から対応することで認知症を予防することにつながります。



■加齢性難聴の治療

加齢性難聴には根本的な治療法はないので、補聴器を使うなどの対処法を行います。
補聴器は患者さんの聴力に合わせて調整する必要があるので、医師の指導のもと正しく使うことが大切です。
まずは補聴器相談医がいる医療機関を受診し、認定補聴器技能者のいる販売店で補聴器を購入しましょう。
加齢性難聴だけであれば大部分の人が補聴器で聞き取れるようになりますが、中には遺伝性難聴の人もいるので注意が必要です。

■遺伝性難聴

遺伝性難聴は40歳前後で発症し、60歳前後であきらかな難聴を自覚するようになります。
補聴器を使っても問題がある人は難聴の遺伝子検査を受けた方がよいです。

■人工聴覚器(じんこうちょうかくき)による治療法

聴力が悪化して補聴器を使っても聞き取れない場合は、人工聴覚器(じんこうちょうかくき)という治療法があります。
高い音が聞き取れない場合は、残存聴力活用型人工内耳という治療法があります。
低い音は補聴器で聞き取り、高い音は埋め込んだ電極が電気刺激をして聞き取るようにします。

■加齢性難聴の治療の名医(2017年3月時点)

国際医療福祉大学 教授 耳鼻咽喉科
岩崎 聡(いわさき さとし)先生
難聴の診断と治療のエキスパートです。

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