■アトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎とは皮膚に強いかゆみを伴う湿疹が出来る病気で、良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性の病気をいいます。
アトピー性皮膚炎は皮膚が乾燥すると悪化するので、乾燥しやすくなる冬場は要注意です。
対応が遅れると悪化しますが、適切な治療やスキンケアで症状を抑えることが可能です。
適切な治療により良い皮膚の状態が保たれると薬を使わなくても良くなることが期待できます。




■アトピー性皮膚炎のメカニズム

肌を乾燥させないようにしているのが皮膚の外側にある0.02mmほどの角質層です。
皮膚の一番外側にある皮脂は皮膚の表面を脂で覆い、皮膚の水分が蒸発するのを防いでくれています。
角質層の中にある角質細胞間脂質も水分の過剰な蒸発を防ぎ、天然保湿因子は水分を溜める役割をになっています。
健康な皮膚はこれらの働きによって水分が保たれています。
皮膚は外からの様々な刺激やアレルギー物質に対してバリアの役割を果たしています。
しかし皮脂や角質細胞間脂質、天然保湿因子などの保湿成分が減少してしまうと角質層の水分が失われて乾燥が進み皮膚のバリア機能が低下してしまいます。
またかゆみを感じる知覚神経が伸びてかゆみを感じやすくなります。
すると汗、唾液、石鹸のすすぎ残し、衣類との摩擦などの軽い刺激でも敏感に反応してかゆみや湿疹が現れます。
さらに食べ物やホコリ、花粉などのアレルギー物質が皮膚の中に侵入してアレルギーを起こすと湿疹が悪化することがあります。
これがアトピー性皮膚炎です。

■子供がアトピー性皮膚炎になりやすい理由

アトピー性皮膚炎は大人になってからかかる人もいますが、多くは子供の時期に発症します。
小さな子供は皮脂の分泌が少ないために皮膚が乾燥しやすくなっています。
そのため小さな子供はアトピー性皮膚炎になりやすいといわれています。

■アトピー性皮膚炎の原因

・皮膚のバリア機能が低下しやすい体質
・アレルギーを起こしやすい体質
・環境因子

環境因子としては、よだれ、食べ物、汗、ダニ、ホコリ、細菌、寝不足、疲れ、ストレスなどがあります。
また同じ人でも季節や年齢によって変わってきます。



■アトピー性皮膚炎の治療法

・悪化要因除去
・スキンケア
・薬物療法

良い皮膚の状態が保つことを目指します。

●悪化要因除去(アトピー性皮膚炎の治療法)
アトピー性皮膚炎は皮膚への刺激に対して敏感に反応することで湿疹が起こります。

汗はこまめに濡れたタオルで拭く、水道水などで洗い流す。
薄着の重ね着にしてこまめに調節する。
皮膚への刺激が少ない衣服を選ぶ。

アトピー性皮膚炎では湿疹があることによってかゆくて皮膚をかいてしまいます。
そのために皮膚バリア機能がさらに低下してしまいます。
すると刺激やアレルギー物質が侵入しやすくなってしまいます。
そのためアトピー性皮膚炎は適切なケアをしていない湿疹が最大の悪化要因となります。

●スキンケア(アトピー性皮膚炎の治療法)
スキンケアの基本は「洗うこと」と「保湿」になります。
皮膚には汗やホコリ、アレルギー物質など様々なものがついています。
入浴やシャワーでこれらを洗い流すことが大切になります。

>皮膚に負担の少ない入浴法
せっけんは十分に泡立て、手の平や柔らかいタオルで洗います。
湿疹部分も泡を乗せてやさしく洗います。
洗った後は汗やせっけんが残らないようによく洗い流します。
熱いお湯や長湯は避けるようにしましょう。
温められることによってかゆみが強くなるだけではなく、皮脂が溶け出して皮膚の乾燥がすすみやすくなります。
長湯も天然保湿因子などの減少につながってしまいます。

>保湿剤
1日2回、朝と夜の風呂あがりに塗るようにします。
冬は乾燥しやすいのでこまめに塗るとよいです。
皮膚のバリア機能を守るためにも、スキンケアは皮膚の状態が改善しても続けることが大切です。

●薬物療法(アトピー性皮膚炎の治療法)
・ステロイドの塗り薬
・タクロリムスの塗り薬
・抗ヒスタミン薬の塗り薬

ステロイドは医師の指示通りに使用することが大切になります。
ステロイドは効き目の強さによって5つに分けられます。
体の部位によって薬の吸収度合いが違うので、正しく使い分けるようにしましょう。
ステロイド薬は患部に乗せるように塗るのがポイントになります。
先に保湿剤を塗り、続いて湿疹部分にステロイド薬を塗ります。
ただしジクジクした湿疹がある場合には、先に湿疹部分にステロイド薬を塗った方がよいです。
保湿剤や薬の使い方は医師の指導通りに行うようにしましょう。

湿疹が落ち着いてきたら薬を塗る頻度を徐々に減らしたり、効果が弱い薬に変更したりします。
少しでも症状が悪化する兆しが現れたら薬を塗る頻度を増やし、落ち着いたら薬を塗る間隔をあけます。

一見きれいに見える皮膚の下では軽い炎症がまだ残っています。
治療を早めにやめてしまうと再発することは多いので、皮膚の盛り上がりや芯があるような感触がなくなるまで治療を行うようにしましょう。
そうすれば最終的にはスキンケアだけで皮膚を良い状態に保つことが期待できます。
薬を止めた後もスキンケアは毎日続けるようにします。

■アトピー性皮膚炎の予防

アトピー性皮膚炎の予防には生後すぐからの保湿剤でのスキンケアが有効といわれています。

■アトピー性皮膚炎の治療の名医(2017年2月時点)

京都府立医科大学 大学院 教授(皮膚科)
加藤 則人(かとう のりと)先生
スキンケアやアトピー性皮膚炎などの診療のエキスパートです。

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