■肺炎球菌が肺炎の原因

肺炎球菌は肺炎の原因菌の中で最も感染率や致死率が高い菌です。
私たちの体内に侵入した細菌やウイルスは、免疫細胞の好中球(こうちゅうきゅう)が食べて退治してくれます。
しかし肺炎球菌の周りにはバリアのような膜があり好中球などの免疫細胞が敵とみなせない状態にあります。
そのためどんどん増殖していき肺炎を起こしてしまいます。
肺炎球菌以外が原因で肺炎になることもあります。




■肺炎球菌は鼻の奥の咽頭に潜んでいることがある

肺炎球菌は人の鼻の奥の咽頭と呼ばれる部分にいることがあり、感染はまず人から人へ移って広がります。
でも鼻の奥の咽頭にいるだけでは悪さはしません。
しかしカゼやインフルエンザなどで咽頭が傷つくと菌が肺に落ちやすくなり、一気に増殖を始めて肺炎を発症することがあります。
肺炎球菌の保菌者は成人で10人に1人ほどとなっています。

■脾臓(ひぞう)のマージナルゾーンB細胞の出す抗体の働き

インフルエンザワクチンは全身の免疫細胞に働きかけますが、肺炎球菌ワクチンは体の脾臓(ひぞう)に効果を発揮します。
脾臓(ひぞう)は背中の左後ろ側にあります。
脾臓(ひぞう)の中にはマージナルゾーンB細胞という特別な免疫細胞がいます。
マージナルゾーンB細胞が肺炎球菌に触れると抗体(こうたい)を出し肺炎球菌に抗体がくっつきます。
すると免疫細胞の好中球(こうちゅうきゅう)が敵とみなして食べて退治してくれます。
しかし脾臓(ひぞう)は加齢と共に小さくなっていきマージナルゾーンB細胞の数も減っていき、その働きが低下していきます。
そのため肺炎球菌に感染すると重症化しやすくなってしまいます。
40代から60代にかけて一気に脾臓(ひぞう)が小さくなっていきます。

■肺炎球菌ワクチンの効果

肺炎球菌ワクチンは小さくなってしまった脾臓に働きかけて抗体を多く出し、肺炎球菌を退治するのを助けてくれます。
肺炎球菌ワクチンの効果は5年間持続します。

■子供用の肺炎球菌ワクチンの予防接種

肺炎球菌ワクチンは子供の場合は2013年から定期接種になっていて、肺炎球菌が鼻の奥に住めなくなる強力なものになっています。
このワクチンによって肺炎球菌を持たない人が増えれば、将来 肺炎球菌が劇的に減っていくと考えられています。
子供用の強力な肺炎球菌ワクチンは大人も打てますが、リスクの高い65歳以上の人しか打つことができません。
日本国内で感染する肺炎球菌は約30種類と考えられています。
大人用の肺炎球菌ワクチンは23種類の菌に対応していますが、子供用の肺炎球菌ワクチンは13種類の菌にしか対応していません。
大人用の肺炎球菌ワクチンと子供用の肺炎球菌ワクチンの両方打ってもよいですが、打つ場合は1年期間をあける必要があります。

■少し頭を上げて寝て誤えん性肺炎の肺炎予防

少し頭を上げて寝ることで誤えん性肺炎の予防になります。
布団の下に座布団やクッションを置けば頭が少し上がります。