中耳炎は聴力の回復が可能なので早期発見早期治療が大切。高齢者の中耳炎は痛みが出にくい。慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、好酸球性中耳炎。




■高齢者の中耳炎・難聴について

中耳炎は子供の病気と思われがちですが、高齢者にも多いといわれています。
高齢者の場合、老化による難聴として放置されていることも多くあります。
中耳炎を放置すると炎症が内耳まで波及し、聴力の回復が難しくなる場合もあります。
子供の中耳炎の場合は強い炎症が起きるので痛みが出ますが、高齢者の中耳炎の場合は痛みがないのが特徴となっています。
通常、老化によって起こる耳の変化は両方の耳に起こります。
中耳炎の多くは聴力の回復が見込めるので、早期発見して治療することが大切になります。
高齢者の場合、聞こえづらいと感じたら耳鼻咽喉科を受診することが大切になります。

■滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)にの特徴

・60代に多い
・痛みがない
・聞こえが悪くなる

■滲出性中耳炎の原因

中耳には耳管(じかん)という管を通って鼻とつながっている部分があります。
この耳管が開きにくくなることで中耳に滲出液が溜まってしまい、鼓膜が振動しにくく聞こえが悪くなります。

■滲出性中耳炎の治療

・飲み薬
 カルボシステイン、マクロライド系抗菌薬
・手術
 鼓膜チューブ留置術



■難聴になる可能性がある中耳炎

・慢性中耳炎
・真珠腫性中耳炎
・好酸球性中耳炎

●慢性中耳炎
何回も繰り返して炎症が起こると鼓膜の再生が悪くなってきます。
そして鼓膜がなくなってきて穴が開き、音を伝える骨が見えている状態になってしまいます。
特に高齢者の場合は抵抗力が弱くなってくるので、炎症を繰り返しやすくなってきます。

●慢性中耳炎の治療
・抗菌薬
 飲み薬、点耳薬
・手術
 鼓膜形成術(鼓膜を形成する手術)
 鼓室形成術(耳小骨の修復・再建)

●真珠腫性中耳炎
耳垢が溜まってきて真珠のような塊がが出来ることがあります。
ここにばい菌が付いて炎症が起こると、特殊な酵素が出て周りの骨を溶かしていってしまいます。
周りが溶けて大きくなっていき、真珠のような塊も大きくなっていってしまいます。
真珠腫が大きくなっていくと、奥の方にある顔面神経にダメージが起こり顔面神経麻痺が起こります。
上の方の脳に大きくなっていくと髄膜炎が起こったりします。
真珠腫性中耳炎の治療では、真珠腫を取り除く手術が必要になります。

●好酸球性中耳炎の特徴
・中高年に増えている
・アレルギーが関与している
・粘度の高い耳だれやかゆみがでる
・成人発症型のぜんそくを持っている人が多い
・回復が難しい難聴への進行が早い
・聴力を完全に失う場合もある

●好酸球性中耳炎の治療
・軽症の場合
 ステロイドの点耳・鼓室内注入
 抗アレルギー薬の内服
・重症の場合
 ステロイドの内服

■中耳炎治療の名医(2015年8月時点)

慶応義塾大学病院 耳鼻咽喉科 教授
小川 郁(おがわ かおる)先生

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