鉄欠乏性貧血は様々な原因で鉄が不足して動悸・息切れが起こる症状をいいます。
腎性貧血は腎臓の機能の悪化により起こります。
白血病などの再生不良性貧血もあります。



■鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)について

貧血の原因は様々ですが、一番多い貧血のタイプは身体の鉄が関係しています。
身体の鉄が不足してしまうと鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)が起こり、動悸・息切れ・疲れやすいなどの症状が起こってきます。
貧血は病気ではなく症状であり、検査値の異常になります。

■貧血の症状

・軽い動作でも動悸や息切れがする
・疲れやすい
・頭が重い
・集中力がなくなる
・爪が割れやすい
・氷水を飲みたくなる

■赤血球(せっけっきゅう)、ヘモグロビンと貧血

貧血は基本的に赤血球(せっけっきゅう)という酸素を運ぶ細胞が減ってしまうことで起こります。
赤血球の中にはヘモグロビンというタンパク質があり、ここに酸素をくっ付けて赤血球がいろんな組織へ酸素を運びます。
赤血球が減っていくと様々な組織の酸素が減ってしまうため低酸素状態になってしまいます。
すると頭が重くなったり、集中力がなくなったり、疲れやすいということが起こります。
また組織へ酸素を運びたいということを補うために心臓や肺が普通以上に働いてしまいます。
その結果として動作時の息切れや動悸などの症状が出てきます。

赤血球の中にヘモグロビンという酸素をくっ付けるタンパク質があります。
この中にヘム(鉄)という場所があり、このヘムを作っているところが鉄になります。
そのため鉄が少なくなってしまうとヘモグロビンが減ってしまいます。
結果として組織に酸素を運ぶことが出来なくなり、貧血になってしまいます。

身体の中には赤血球を含めて様々な鉄が貯蔵されています。
1日に1mgぐらいの鉄分が消化管から吸収されています。
1mgとほぼ同じ量の鉄分が汗や皮膚・消化管の粘膜から外に出て行きます。

■赤血球・白血球・血小板

血液というのは骨の中の骨髄(こつずい)で作られます。
骨髄の中にある造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)が栄養やホルモンを得ることで分化・増殖を繰り返し、最終的には赤血球・白血球・血小板となり血液に流れていきます。



■再生不良性貧血

造血幹細胞自体の数が減ってしまう病気があります。
それを再生不良性貧血といいます。
また白血病(はっけつびょう)など、ふだん骨髄に存在しないような悪い細胞が骨髄を占拠してしまい、血液を作る場所がなくなって貧血になることもあります。

■腎性貧血(じんせいひんけつ)について

貧血の多くは、造血幹細胞から赤血球が作られるまでにホルモンや様々な栄養が不足することによって起こります。
ホルモンはエリスロポエチンといって腎臓で作られます。
そのため腎臓の機能が悪くなると、このホルモンが減ってしまい貧血が起こります。
この貧血を腎性貧血(じんせいひんけつ)といいます。

■女性の貧血

女性の場合は月経があり、潜在的に貧血になりやすい状態にあります。
その量がとても多いと貧血になってしまい、普通の量であっても成長期にはかなり鉄分が必要になるので、相対的に鉄分が減ってしまうこともあります。
さらに女性は妊娠や授乳にも鉄分が必要になるので、そういったことでも鉄分が減ってしまい鉄欠乏性貧血になりやすくなります。
また子宮筋腫や子宮癌により鉄欠乏性貧血になっていることもあります。

■貧血の診断基準

男性   :13g/dL未満
女性   :12g/dL未満
65歳以上 :11g/dL未満

貧血はヘモグロビンの濃度を調べることで分かります。

■鉄欠乏性貧血の治療法

・鉄剤の服用
・婦人科的な診察

鉄剤の服用が標準的な貧血の治療になります。
正常値に戻っても慢性的な出血がある限りは服用を継続します。
出血の原因を内視鏡検査などの婦人科的な診察で突き止め治療していきます。
鉄剤の服用としての副作用としては、吐き気、便秘、下痢、黒い便などがあります。
また食事などで規則正しく鉄分を多く含む食材をバランス良く摂ることも大切になります。