糖尿病網膜症は網膜の細い血管がもろくなる病気で、進行すると視力の低下や失明に至る場合もあります。
糖尿病網膜症の早期発見のためにも眼底検査を受けることが大切です。
糖尿病網膜症の治療には、内科的な糖尿病の治療と眼科的な糖尿病網膜症の治療が必要になります。




■糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)について

糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)とは、眼球の奥にある網膜の細い血管がもろくなる病気です。
進行すると視力の低下や失明に至る場合もあります。
糖尿病網膜症は糖尿病患者の3~4割を占めています。
早期発見して早期に治療すれば、多くの場合で視力低下を食い止めることができる病気です。

■網膜(もうまく)について

網膜(もうまく)は眼球の一番奥にあり、物を見るための神経が全体に広がっていて細い血管が無数に伸びています。
糖尿病網膜症はこれらの血管が障害される病気で、通常は両方の目に起こります。

■牽引性網膜剥離(けんいんせいもうまくはくり)

糖尿病になると網膜の細い血管が障害を受けてもろくなります。
それによって出血が起こります。
進行すると出血が増えてきて、血管の閉塞箇所も増えてきます。
さらに進行して新生血管が出来ると、その周りに増殖膜(ぞうしょくまく)が出来て網膜を引っ張り上げて牽引性網膜剥離(けんいんせいもうまくはくり)を起こします。
すると網膜が後ろの組織からはずれてしまい栄養がもらえくなり、重篤な視力障害が起こります。

■眼科での眼底検査で糖尿病網膜症の早期発見

糖尿病と診断されたら、糖尿病網膜症の早期発見のためにも年1回以上は眼底検査を受けることが大切です。

■糖尿病網膜症の治療法

・血糖値を下げる:HbA1cの値を7.0未満にする
・レーザー治療
・硝子体手術(しょうしたいしゅじゅつ)

●レーザー治療による糖尿病網膜症の治療法
光凝固(ひかりぎょうこ)をすることによって黄斑部(おうはんぶ)の機能を保ち、新生血管の発生を抑えます。
適切な時期にきちんと治療を行うと、95%以上が失明を食い止めることが可能となっています。

●硝子体手術による糖尿病網膜症の治療法
引きつれている硝子体や増殖膜を手術で取り除きます。
濁りを取ることによって視力を回復させます。



■糖尿病眼手帳

糖尿病網膜症の治療には内科と眼科の両方の治療が必要になります。
そのためお互いの情報を共有させるために糖尿病眼手帳などを利用して、受診経過や結果を記載して情報の共有をすることが大切になります。

■糖尿病の治療法

・食事の改善
・適度な運動
・薬物療法
・合併症の治療

糖尿病は肥満や運動不足が影響するので、食事の改善と適度な運動が糖尿病治療の基本になります。
それでも十分に血糖値が下がらない場合は、飲み薬やインスリンなどの注射薬を使います。
合併症をすでに発症している場合は、合併症の治療も必要になります。

●薬物療法
・インクレチン関連薬
 血糖値に応じてインスリンを分泌させます。
 単独では低血糖を起こしにくい薬です。

・SGLT-2阻害薬
 血液中に増えたブドウ糖を尿に排泄させることで血糖値を下げていきます。
 インスリン分泌促進薬・インスリン抵抗性改善薬と全く異なる働きをします。
 単独で使用した時に低血糖が起きにくい薬です。
 またブドウ糖が尿から体外に排出されるため肥満解消の効果もあります。
 ただし副作用として脱水、口渇、尿路感染、筋肉減少が起こることもあります。

■糖尿病網膜症の名医(2014年7月時点)

山形大学 教授
山下 英俊(やまがた ひでとし)先生
眼科・特に糖尿病網膜症の診断・治療のエキスパートです。

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