糖尿病腎症は腎臓が障害されて腎臓の働きが低下していく病気です。
進行すると腎不全になり透析治療が必要になることもあります。
腎臓で老廃物や余分な塩分を取り除いて尿として排出します。
糖尿病腎症は自覚症状がほとんどないので、微量アルブミン尿検査で早期発見し早期治療することが大切です。




■糖尿病腎症(とうにょうびょうじんしょう)について

糖尿病腎症(とうにょうびょうじんしょう)とは、腎臓が障害されて尿にタンパクが漏れ、その後腎臓の働きが低下していく病気です。
腎臓も細い血管が無数に集まった臓器で、それらが少しずつ障害されていきます。
進行すると腎不全になってしまい、悪化すると透析治療が必要になることもあります。
腎臓の働きが低下する前に早期に治療を開始すれば回復することも可能です。

■腎臓(じんぞう)の働きについて

腎臓(じんぞう)は体の腰の上辺りの背中に近いところに左右2つあります。
腎臓の働きとしては、血圧の調節、赤血球や骨の合成などがあり、身体に欠かせない役割をしています。
そして腎臓の最も重要な働きは尿を作ることです。
腎臓には全身の血液が大量に流れ込みます。
その血液から老廃物や余分な塩分を取り除いて尿として排出します。
尿の量を調節することで体内の水分も調節しています。

■糸球体(しきゅうたい)について

腎臓には糸球体(しきゅうたい)という小さな組織がたくさんあり、細い毛細血管が毛玉のように丸まっています。
この糸球体は血液から老廃物などをこし出しています。
正常だとタンパクは漏れ出てきませんが、糖尿病で血液中のブドウ糖が異常に増えると糸球体が除々に壊れていきます。
すると体にとって必要なタンパクが尿に漏れ出てしまいます。
進行すると老廃物が十分に取り除かれず体に溜まってしまいます。
また同時に塩分や水分も十分に排出できなくなり、むくみがでてきます。

■糖尿病腎症は自覚症状がほとんどない

糖尿病腎症は、糖尿病全体の4割も占めています。
糖尿病腎症を発症しても、長い間にわたり自覚症状がほとんどありません。
相当進行して初めて手や足、まぶたのむくみなどの症状が出てきます。



■糖尿病腎症の検査

・尿検査
・血液検査
・微量アルブミン尿検査

●尿検査
タンパクが尿の中に出た場合は腎臓に障害がある証拠です。

●血液検査
血液検査で血中のクレアチニンという物質を調べます。
クレアチニンは体内の老廃物の一つで、腎臓の働きが低下するにつれて血液中に増えてきます。

●微量アルブミン尿検査
糖尿病腎症の初期には、タンパクの代表であるアルブミンが尿の中に極少量出てきます。
それを微量アルブミン尿といいます。
通常のタンパク尿の検査でhが分からないので、精密な方法で検出します。
腎臓の糸球体は、一度壊れてしまうと元に戻らないといわれています。
しかし微量アルブミン尿検査で早期発見し、早期に治療すれば良くなる可能性があります。

■高血圧の悪循環

高血圧は腎臓を悪くするだけではありません。
腎臓が悪くなって塩分や水分の排出が低下すると、それを補おうとして腎臓自体が血圧を高めるようにしてしまいます。
ここに悪循環が生じてしまいます。
この悪循環を断ち切るためにも血圧の治療が大切になってきます。

■腎臓と動脈硬化

糖尿病は動脈硬化を進行させますが、腎臓が悪いと動脈硬化がますます進行してしまいます。
心筋梗塞や脳梗塞の発症の危険性が高まります。

■糖尿病腎症の治療法

血糖値と血圧を十分にコントロールすることが大切になります。

●血糖値を下げる
  HbA1cが7.0未満

●血圧を下げる
  130/80mmHg未満

●生活習慣の改善
・減塩
 食塩の摂取を1日6g未満にする。

・摂取エネルギーの適正化
 糖尿病腎症は肥満によって悪化します。

●タンパク質やカリウムの制限
タンパク質は摂り過ぎると糸球体に負荷がかかります。
カリウムは腎臓の働きが低下すると血中に溜まって不整脈を起こす危険性があります。

●透析治療
腎不全の場合は透析治療が必要になります。

■腎不全の症状

・だるさ
・むくみ
・吐き気
・食欲不振
・かゆみ
・息切れ

これらの症状は老廃物の排出が十分できないために起こります。
症状があれば、それぞれ薬で抑えます。

■糖尿病の名医(2014年7月時点)

旭川医科大学 教授
羽田 勝計(はねだ まさかず)先生
糖尿病内科、特に糖尿病の合併症の診断と治療が専門。

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