糖尿病神経障害(とうにょうびょうしんけいしょうがい)は足などにしびれや痛みが起こる病気です。
糖尿病神経障害は糖尿病三大合併症の中でも最も良く起こるので、足の切断を予防するためにもフットケアや生活上の注意点に気をつけましょう。




■糖尿病神経障害(とうにょうびょうしんけいしょうがい)について

糖尿病神経障害(とうにょうびょうしんけいしょうがい)とは、足のしびれ・痛み・感覚麻痺などの症状が起こる糖尿病の合併症です。
糖尿病により抹消の血管が障害されると血行が悪くなり、抹消神経に栄養や酸素が十分に届かなくなってしまいます。
また抹消の神経そのものが高血糖により変性したり、脱落したりしてしまいます。
糖尿病神経障害は糖尿病三大合併症の中でも最も良く起こるといわれています。
糖尿病神経障害は早くから自覚症状が出ることもあり、糖尿病の診断から5年くらいの比較的早期に気付くことができる合併症でもあります。

■糖尿病神経障害の特徴

糖尿病神経障害の特徴としては、症状が足から始まることが多く、手だけに起こることはありません。
両足ともに症状が出てくる人がほとんどです。

■糖尿病神経障害の主な症状

・しびれ
・痛み
・感覚麻痺

足の裏に紙がへばりついている感じ、畳の上を歩いているのに砂利道を歩いているような症状を訴える人もいます。
進行すると手にも足と同様の症状が現れることもあります。
目の神経が障害されて眼球が一方によったり、顔面神経が障害されて口が歪むといった症状が起こることもあります。

■糖尿病神経障害による自律神経の障害症状

・発汗異常
・立ちくらみ
・不整脈
・胃の動きの低下
・下痢や便秘
・排尿障害
・勃起障害

自律神経は心臓・肺・胃・腸・泌尿器など様々な臓器の働きを自動的に調節している神経です。
そのため自律神経が糖尿病で障害されると、それらの働きが悪くなって様々な症状が起こります。
中でも不整脈は突然死の原因になることもあるので要注意です。



■糖尿病神経障害による無痛性心筋梗塞

糖尿病になると心筋梗塞を起こしやすくなります。
糖尿病神経障害があると強い痛みを感じにくくなため、心筋梗塞に気付くのが遅れることがあります。
糖尿病で神経障害を合併している場合には、定期的に新オズの検査を受けることが大切になります。

■糖尿病神経障害の診断法

・アキレス腱反射
・音叉振動検査
・神経伝導検査

■糖尿病神経障害を食い止めるための治療法

・血糖コントロール
・血圧や脂質のコントロール
・禁煙
・禁酒
・神経障害自体の治療

●血糖コントロール
まず糖尿病の合併症リスクを下げるために、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が7.0未満を目標とします。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は血液検査で調べますが、過去1~2ヶ月の血糖の平均値を反映するといわれています。
糖尿病初期で血糖値がそれほど高くない人では6.0未満を目指します。
血糖値が非常に高い高齢の患者さんでは、薬で下げると低血糖を起こす場合があるので、無理をせず8%未満を目指します。

●薬物療法
・痛みやしびれを和らげる薬
・末梢神経の変性や脱落を抑える薬

■糖尿病神経障害による足の切断について

靴擦れ・軽微な傷・火傷・水虫・タコなどが生じても、糖尿病神経障害があると感覚が麻痺していて痛みなどを感じにくい場合があります。
また閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)を合併してると血行不良が起こります。
さらに糖尿病では血糖値が高いため、小さな傷から感染を起こしやすくなってしまいます。 すると知らないうちに感染が進行し、潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)という状態になってしまうことがあります。
最悪の場合、足を切断しなければいけないこともあります。

●糖尿病神経障害ではフットケアが大切
・傷や感染などがないかどうか足を毎日チエックする
・足を良く洗って清潔にする
・荒れているところはクリームなどで手入れする

●糖尿病神経障害の生活上の注意点
・自分に合った靴を履く
・清潔を保つために靴下を毎日履き替える
・爪を切るときに傷をつけないようにする
・こたつでの低温火傷に注意する

もし傷が出来てしまったときは、自己判断せず主治医に相談することが大切です。

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旭川医科大学 教授 羽田 勝計(はねだ まさかず)先生

糖尿病内科、特に糖尿病の合併症の診断と治療が専門。

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