糖尿病は自覚症状がないため放置して合併症が起こり悪化しやすくなります。
糖尿病の治療を受けて血糖値をしっかり下げることが大切です。
糖尿病による合併症さえ起こらなければ糖尿病は恐い病気ではありません。




■糖尿病(とうにょうびょう)について

糖尿病(とうにょうびょう)とは、血糖値が慢性的に高い病気のことをいいます。
血糖値は血液中に含まれるブドウ糖の濃度を意味しています。
ブドウ糖は基本的には全身に運ばれて細胞のエネルギー源となります。
このブドウ糖が細胞に十分取り込まれず、血液中に異常に増えた状態が糖尿病になります。
全身の血管が異常な濃度のブドウ糖によって傷めつけられてしまいます。
糖尿病は、長い間にわたり自覚症状がほとんどないことから放置する人が多くいます。
しかし糖尿病は除々に進行していく病気であるため、合併症の症状が現れる頃には相当悪化している場合が多くあります。

■糖尿病による合併症

・糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)
 目が悪くなる病気です。

・糖尿病腎症(とうにょうびょうじんしょう)
 腎臓が悪くなる病気です。

・糖尿病神経障害(とうにょうびょうしんけいしょうがい)
 足などにしびれや痛みが起こる病気です。

糖尿病網膜症・糖尿病腎症・糖尿病神経障害を、糖尿病三大合併症といいます。
いずれも全身の細い血管が障害されて起こります。
細い血管の障害は多くの場合、糖尿病と診断されてから5年~15年で起こります。
順序としては、神経障害、網膜症、腎症という順序で発症することが多いです。

・脳梗塞
・心筋梗塞
・閉塞性動脈硬化症

また糖尿病が進行すると太い血管も障害され、動脈硬化が進行します。
その結果、脳梗塞、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)が起こりやすくなります。

■糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)について

糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)とは、眼球の奥にある網膜の細い血管がもろくなる病気です。
進行すると視力の低下や失明に至る場合もあります。

■糖尿病腎症(とうにょうびょうじんしょう)について

糖尿病腎症(とうにょうびょうじんしょう)とは、腎臓の働きが低下していく病気です。
腎臓も細い血管が無数に集まった臓器で、それらが少しずつ障害されていきます。
悪化すると透析治療が必要になる場合もあります。

■糖尿病神経障害(とうにょうびょうしんけいしょうがい)について

糖尿病神経障害(とうにょうびょうしんけいしょうがい)とは、末梢神経が障害されていく病気です。
足などのしびれ・痛み・感覚麻痺などの症状が起こります。
神経に栄養や酸素を送っている抹消の血管が血行不良を起こしたり、抹消の神経そのものが壊れたりすることが原因となり起こります。
悪化すると足を切断する場合もあります。



■糖尿病による動脈硬化

血液中に増えたコレステロールが動脈の血管の壁に溜まって、それがコブ状に膨らんで血行が悪くなります。
糖尿病で血液中のブドウ糖が増えると、コレステロールの運び役をしているLDLが酸化したり、ブドウ糖が結びついたりします。
するとコレステロールはさらに溜まりやすくなって動脈硬化が進行してしまいます。

■糖尿病による脳梗塞・心筋梗塞

糖尿病の人は食べ過ぎや運動不足などがよくあり、糖尿病だけではなくコレステロールなどの脂質異常や高血圧も起こりやすくなります。
これらが重なって動脈硬化が進行しやすくなります。
動脈硬化が進行すると血管壁にできたコブが破れて血栓ができ、詰まってしまうことがあります。
これが脳やその近くの血管で起これば脳梗塞が起こり、心臓を動かす冠動脈で起これば心筋梗塞が起こります。
糖尿病の人は脳梗塞になる危険性が2倍にもなり、心筋梗塞や狭心症になる危険性は2倍~4倍にもなります。

■閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)について

閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)とは、動脈硬化が足の動脈に起こる病気です。
歩くとふくらはぎが痛み、休まないと歩けなくなります。
やげて歩行困難になることもあります。
さらに神経障害も加わると足の切断につながる場合もあります。

■糖尿病の治療法

・食事の改善
・適度な運動
・薬物療法
・合併症の治療

糖尿病は肥満や運動不足が影響するので、食事の改善と適度な運動が糖尿病治療の基本になります。
それでも十分に血糖値が下がらない場合は、飲み薬やインスリンなどの注射薬を使います。
合併症をすでに発症している場合は、合併症の治療も必要になります。

●薬物療法
・インクレチン関連薬
 血糖値に応じてインスリンを分泌させます。
 単独では低血糖を起こしにくい薬です。

・SGLT-2阻害薬
 血液中に増えたブドウ糖を尿に排泄させることで血糖値を下げていきます。
 インスリン分泌促進薬・インスリン抵抗性改善薬と全く異なる働きをします。
 単独で使用した時に低血糖が起きにくい薬です。
 またブドウ糖が尿から体外に排出されるため肥満解消の効果もあります。
 ただし副作用として脱水、口渇、尿路感染、筋肉減少が起こることもあります。

■糖尿病の名医(2014年6月時点)

旭川医科大学 教授
羽田 勝計(はねだ まさかず)先生

糖尿病内科、特に糖尿病の合併症の診断と治療が専門。

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