私達の鼻は、体の中でも特に異物が入りやすい場所です。
その奥は耳・目・喉を通して全身へとつながっています。
副鼻腔真菌症は副鼻腔にカビが増殖して炎症が起きる病気です。
上顎洞癌は副鼻腔の上顎洞に癌ができる病気です。
慢性副鼻腔炎は細菌やウイルスなどが原因で副鼻腔の粘膜に炎症が起きる病気です。
好酸球性副鼻腔炎は白血球の一種の好酸球が異常をきたし正常な細胞を攻撃することで炎症を起こす病気です。




■副鼻腔真菌症(ふくびくうしんきんしょう)について

鼻の奥に広がる副鼻腔といわれる空洞にカビが侵入し、そこをすみかに増殖することで炎症が起き、様々な症状を引き起こす病気が副鼻腔真菌症(ふくびくうしんきんしょう)です。
副鼻腔真菌症の原因となるカビはどこの家庭にもいるごくありふれたカビです。
湿度の高くなる梅雨や夏場に最も増えるため注意が必要です。
ほとんどの場合、吸い込んだカビは身体の免疫反応によって退治されてしまいます。
しかし免疫力が落ちていたりすると副鼻腔真菌症を発症してしまう危険があります。

副鼻腔真菌症は片側の鼻水や鼻づまりから始まる事が多いです。
カビ自体が鼻全体に急激に及んで症状を起こすことはありません。
花粉症などの鼻水や鼻づまりは、鼻の両側同時に起きるのが普通です。
片側だけの鼻水や鼻づまりが続くようであれば、別の危険な病気が隠れている可能性もあります。

■上顎洞癌(じょうがくどうがん)について

上顎洞癌(じょうがくどうがん)とは、副鼻腔の空洞の一つである上顎洞(じょうがくどう)に癌ができる病気です。
最悪の場合、死に至る病気でもあります。
上顎洞癌の詳しいメカニズムは分かっていませんが、喫煙、ホコリ、細菌などの異物を吸い続けることで上顎洞の粘膜が傷付き、炎症が慢性化して細胞が癌化してしまうと考えられています。
上顎洞癌の早期発見のポイントは、片側だけの鼻水になります。
片側だけに続く鼻水に加え、血が混じる、黄色く粘つくという症状があるときには、直ぐに病院を受診しましょう。

■慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)について

慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)とは、いわゆる蓄膿症(ちくのうしょう)のことをいいます。
慢性副鼻腔炎は細菌やウイルスなどが原因で、副鼻腔の粘膜に炎症が起きる病気です。
現在では抗菌薬による治療を受ければ比較的簡単に良くなります。



■好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)について

好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)とは、白血球の一種である好酸球が異常をきたす病気です。
本来外から入って来た異物を攻撃する好酸球が、何らかの原因で副鼻腔の中で異常に増殖し、正常な細胞まで攻撃することで炎症を起こしてしまいます。
好酸球性副鼻腔炎は、最近明らかになった病気です。

●好酸球性副鼻腔炎の特徴
・鼻がつまっていないのに匂いが感じにくい
・息苦しさを感じる咳

好酸球性副鼻腔炎になると、比較的初期の段階で目と目の間の鼻腔や副鼻腔に炎症が起きやすくなります。
ここは匂いを感じる神経が集中している場所です。
そのため炎症によって障害を受け、鼻づまりの症状がなくても匂いを感じにくくなってしまうことがあります。

また好酸球性副鼻腔炎になると息が苦しくなるほど激しく咳が出ます。
好酸球性副鼻腔炎の場合、特に成人になってから発症する喘息を併発することが多く、好酸球性副鼻腔炎と喘息には因果関係があると考えられています。
咳が一度出るとしばらく止まらないのは、喘息の咳に特有の症状です。

ただの鼻づまりと思って放置すると、炎症により耳が聞こえなくなったり、喘息による呼吸困難に襲われるなど通常の生活が送れなくなることもあります。
早期にステロイド薬による治療と手術を行うことが症状改善のカギをにぎります。

■鼻の名医(2014年4月時点)

東邦大学医療センター 大橋病院 耳鼻咽喉科
吉川 衛(よしかわ まもる)先生

鼻水・鼻づまり・喉の痛み・めまいなど様々な悩みを訴える外来患者の診察にあたる一方、鼻の手術だけで年間200件以上を執刀する鼻のエキスパートです。

■慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)!非好酸球性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、治療法

■鼻中隔彎曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)!薬物療法と手術療法による治療

■副鼻腔炎(ふくびくうえん)!蓄膿症、非好酸球性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎