就寝後に排尿のために1回以上起きる病気を夜間頻尿(やかんひんにょう)といいます。
夜間頻尿の原因としては夜間高血圧、隠れ心不全、睡眠時無呼吸症候群、過活動膀胱、前立腺肥大症などの病気があります。




■夜間頻尿(やかんひんにょう)について

夜間頻尿(やかんひんにょう)とは、就寝後に排尿のために1回以上起きる状態をいいます。
夜間頻尿を患う患者数は約4500万人ともいわれています。
夜間頻尿は寝不足になるだけではなく、死亡率も上がってしまいます。
70歳以上の高齢者で夜中に2回以上トイレに起きる人の死亡率は、夜中にトイレに行かない人に比べて約2.5倍にもなります。
トイレに行くまでに転倒することも要因の一つとなっています。
夜間頻尿には命に関わる病気が潜んでいることもあります。
私達は日中に平均4~7回の排尿がありますが、就寝後では排尿はほとんどありません。
人は夜眠りについた時、排尿で睡眠を妨げないように脳が腎臓へ指令を出します。
その指令を受けた腎臓は尿量を少なめにセーブします。
そのため朝まで尿意もなくぐっすり眠ることができます。
しかし加齢と共にその指令を出すホルモンは減少していき、夜間でも尿を作り続けるために夜間頻尿が起こってしまいます。

■夜間頻尿の原因

・夜間高血圧
・隠れ心不全
・睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)
・過活動膀胱(かかつどうぼうこう)
・前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)

■夜間高血圧と夜間頻尿

夜間高血圧とは、夜眠っている間に血圧が上がってしまう病気です。
血圧は1日の中で何度も上がったり下がったりしています。
朝から日中にかけて身体は活動的になるため、血圧は高くなりますが、夜眠っている間は1日の中でも低く安定している状態になります。
しかし夜間高血圧の場合は、血圧が下がることなく上がってしまいます。
夜中に高血圧なのは、昼間と同じように血流が多いためです。
つまり腎臓に流れ込んむ血液の量も昼間と変わらず、夜にもたくさんの尿が作られてしまいます。
これが夜間頻尿を引き起こす原因となります。
夜間高血圧の人は、心臓や脳に負担がかかり、朝方の脳出血や脳梗塞になることもあります。
寝る前や朝一に血圧を測定したときに、日中より20mmHg以上高い人は夜間高血圧の可能性があります。



■隠れ心不全と夜間頻尿

夜間頻尿がある人で脚のむくみが強い人は、隠れ心不全の可能性があります。
加齢などが原因で心臓が弱ってくると、血液が体中で上手く循環できなくなってしまいます。
すると日中立って過ごしている間に除々に脚に水分が溜まっていき、むくんだ状態になります。
その状態で横になると、脚に溜まった水分が一気に心臓へ向かいます。
すると心臓は増え過ぎた血液を元に戻そうと尿を作るホルモンを分泌してしまいます。
これが夜間頻尿の原因となってしまいます。 この状態を放置すると心臓が膨れ上がり心不全になる危険性があります。

●脚のむくみによる夜間頻尿の予防法
睡眠に入る2~3時間前に脚を心臓よりも高くして横になります。
この姿勢で30分ほど血液を心臓に戻します。
また足首を前後に動かすと水分を効率的に流すことができます。
就寝前にトイレを済ましておきましょう。
弾性ストッキングを使うと、足を圧迫して水分を溜めにくくすることができます。

■睡眠時無呼吸症候群と夜間頻尿

睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)とは、寝ている間に10秒以上呼吸が止まってしまう病気をいいます。
睡眠時無呼吸症候群を発症すると起きた時に頭痛を感じたり、昼間に眠気を引き起こすことがあります。
睡眠時無呼吸症候群で起こるいびきは、舌の根元などで空気の通り道が塞がれているのに呼吸をしようとするために起こります。
気道が完全に塞がると胸の中の気圧が下がります。
すると心臓が膨らみ、そこに血液が流れ込みます。
心臓は増え過ぎた血液を元に戻そうと尿を作るホルモンを分泌します。
そのために夜間頻尿を引き起こしてしまいます。
睡眠時無呼吸症候群を放置していると、高血圧や心臓病など様々な病気のリスクも高めてしまいます。

■過活動膀胱と夜間頻尿

過活動膀胱(かかつどうぼうこう)とは、膀胱の筋肉が勝手に収縮し尿を我慢できなくなる病気です。
日中でも夜間でも我慢でも頻尿になってしまいます。
過活動膀胱の原因としては、脳や脊髄の神経障害が2割、下部尿路閉塞・加齢・突発性が8割とされています。

●過活動膀胱の治療
過活動膀胱の治療法としては、薬物療法と膀胱訓練があります。
薬物療法では抗コリン薬で膀胱をリラックスさせます。
膀胱訓練では、尿意を感じてトイレに行くのを我慢します。
5分からスタートし、1ヶ月で5分ずつ、最大30分まで伸ばします。

■前立腺肥大症と夜間頻尿

前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)とは、膀胱の下にある男性特有の臓器の前立腺が年齢と共に大きくなる病気です。
前立腺肥大症になると尿が出にくくなったり、勢いが悪くなったりします。
約50%強に過活動膀胱を合併し頻尿を引き起こしてしまいます。

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