慢性副鼻腔炎には従来の蓄膿症(非好酸球性副鼻腔炎)という病気と好酸球性副鼻腔炎という病気の2つのタイプがあります。
病気のタイプが違うので治療方法も異なってきます。
まず病院でしっかり診断を受け、蓄膿症(非好酸球性副鼻腔炎)か好酸球性副鼻腔炎のどちらのタイプであるかを知り適切な治療を行うことが大切になります。
好酸球性副鼻腔炎は一度症状が良くなっても再発しやすいので治療の継続が大切になります。




■慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)について

息をする時に通る道を鼻腔といいます。
副鼻腔とは、ほっぺた、目の間、おでこにある空洞で、鼻腔と自然口(しぜんこう)という小さな穴を通してつながっています。
左右合わせて8つの空間があります。
この副鼻腔に炎症が起きるのを副鼻腔炎(ふくびくうえん)といいます。
副鼻腔炎が3ヶ月以上続く場合を慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)と診断されます。

■非好酸球性副鼻腔炎(ひこうさんきゅうせいふくびくうえん)、
好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)

従来は慢性副鼻腔炎のことを蓄膿症(ちくのうしょう)と呼んでいましたが、いまは非好酸球性副鼻腔炎(ひこうさんきゅうせいふくびくうえん)と呼んでいます。
好酸球(こうさんきゅう)とは、白血球の中にある細胞の一種で、アレルギー反応で炎症が起こると増加するという特徴があります。

■好酸球性副鼻腔炎の原因

・ウイルス
・細菌
・カビ
・ハウスダスト

好酸球性副鼻腔炎も従来の慢性副鼻腔炎も咳や鼻づまりなど、カゼがきっかけで起こることが多いです。
そのためカゼと勘違いすることも多くあります。
また花粉症があると花粉症と勘違いすることがあります。
ただし鼻カゼであれば1週間ぐらいで治るし、花粉症であれば5月ぐらいには治まってきます。
アレルギーがあり、特にぜんそく持ちの人であれば、鼻水。鼻づまりが長く続く場合は耳鼻咽喉科を受診することが大切です。

■非好酸球性副鼻腔炎の症状

・鼻水が緑色や黄色でドロドロしている
・鼻づまり
・膿がたまり鼻が詰まる
・ポリープ
・進行すると嗅覚障害が起こる

■好酸球性副鼻腔炎の症状

・鼻水がクリーム色でネバネバしている
・鼻づまり
・ムチンがたまり鼻が詰まる
・ポリープが多い
・早期から嗅覚障害が起こる



■慢性副鼻腔炎による生活の質の低下

・集中力の低下
・睡眠障害
・嗅覚障害
・目の疲れ
・頭痛
・中耳炎
・呼吸の病気

■慢性副鼻腔炎の診断

・問診    :何時から起こり、どういう状態か
・画像診断  :X線やCTの画像で膿の有無を確認
・内視鏡検査 :ポリープの有無を確認
・血液検査  :アレルギーの有無、好酸球の状態
・嗅覚検査  :ニオイの力を検査(基準嗅力検査、静脈性嗅覚検査)

好酸球性副鼻腔炎は、目と目の間にある空洞に病気が起こるのが特徴となっています。
真ん中にあるのがニオイを感じる部分なので、好酸球性副鼻腔炎は比較的早いうちから嗅覚障害が起こる特徴があります。

■慢性副鼻腔炎の治療法

慢性副鼻腔炎の治療法としては、局所療法、薬物療法、手術療法があります。
副鼻腔炎の治療の注意点としては、症状がなくなっても自己判断で薬を止めない、アレルギーやぜんそくがある人は合わせて治療を行うなどがあります。

●局所療法
・鼻腔・副鼻腔の洗浄
 膿・鼻水・ムチンなどを洗い流す治療法です。

・ネブライザー
 抗菌薬を蒸気にして鼻から吸って直接局所に薬をかける治療法です。

●薬物療法
非好酸球性副鼻腔炎
・マクロイド系抗菌薬
・抗菌薬 ペニシリン
・粘液溶解薬
・好酸球性副鼻腔炎

好酸球性副鼻腔炎
・ロイコトリエン受容体拮抗薬
・ステロイド(点鼻。経口)

●手術療法
局所療法や薬物療法を組み合わせて治療を行っても効果がないとき、鼻ポリープが大きくなったときに手術療法を選択します。
内視鏡を鼻の中に入れてポリープを取り除く手術を行います。
・ナビゲーション手術
 手術前に撮った患者さんのCTの画像を内視鏡画像と一緒に映し出し、
 それを見ながら手術を行います。

■好酸球性副鼻腔炎の再発

好酸球性副鼻腔炎は手術によってよくなりますが、再発しやすいという特徴があります。
そのため再発を抑制するたに、術後の薬の投与が必要になります。

●副鼻腔炎を再発させないポイント
・カゼをひかない、こじらせない
・鼻水を溜めない
・ホコリやカビを溜めないようにこまめに掃除する
・適度な温度や適度な湿度を保つ