■ヒザを適切に動かしヒザの痛みを改善

昔はヒザの軟骨が擦り減ると元に戻らないので、ヒザが痛いときは安静にして歩かないといわれていました。
しかし最近では痛くなった時こそヒザを動かした方が良いと考えられています。
年を取ると悩まされるヒザの痛みですが、ヒザが痛いまま放置しておくと症状は確実に悪化します。
しかしヒザを適切に動かせば痛みが取れて、痛みを悪化させるスピードを遅らせることができます。
ヒザは繰り返し動かすことで関節液から軟骨へ酸素や栄養分が補給されています。
痛いからといって歩かなくなると、関節軟骨に栄養が行き届かない状態になってしまいます。
安静にしているはずが、むしろヒザを悪化させてしまいます。




■ヒザ関節について

私達のヒザは、太ももの骨の大腿骨(だいたいこつ)、すねの骨の頸骨(けいこつ)、ヒザの皿の膝蓋骨(しつがいこつ)の3つからなっています。
それぞれ骨は、骨同士がぶつからないように弾力性のある関節軟骨でおおわれ、さらに半月板というクッションも間に挟まっています。
これらの関節をまとめて囲うように関節包(かんせつほう)という袋が包み込み、その中は潤滑油として活躍する関節液(かんせつえき)で満たされています。
この関節包で上手く衝撃を吸収することで滑らかな動きで動くことができます。

■変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)について

加齢とともにヒザの関節軟骨が擦り減っていき、50歳前後からヒザの痛みを感じる人が増えてきます。
これが変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)です。
変形性膝関節症を放置しておくと、進行して歩けなくなってしまう大きな原因になってきます。
変形性膝関節症とは、ヒザの関節が擦り減り、ヒザに痛みと変形が生じる病気です。
その症状はゆっくりと着実に進行していきため、高齢になればなるほど辛くなるヒザの病気です。
変形性膝関節症は、日本全国で2500万人が患っているといわれ、特に40歳以上の女性では6割以上が変形性膝関節症に悩んでいるといわれています。

■変形性膝関節症の症状

●寝起きにヒザがこわばり、立ち上がりに違和感がある
加齢とともに除々に関節軟骨が擦り減ってきた状態です。
ある程度擦り減ると止まるため、ヒザ全体の形は一見変わっていません。

●ヒザに痛みが現れ、しゃがんだり正座をすることが難しくなる

●階段の昇り降りが一番痛い
ヒザの軟骨が削られ毛羽立った状態になり、さらに削り取られた軟骨の欠片が関節包の中で動き回り、それが原因で内側の膜が炎症を起こします。
すると関節液が過剰に分泌されてしまいます。
これがヒザの痛みの正体です。
関節液は痛みを引き起こす物質が含まれているため、痛みを感じるようになってしまいます。

●脚の筋肉が衰え歩けなくなる

●痛みが激しくなり寝ている時でも痛みを感じる
関節軟骨が完全になくなり、骨同士がぶつかり合うことで骨自体が擦り減ってしまいます。
骨は擦り減った分を補おうと再生しますが、以前とまったく同じ形では再生できず、横にはみ出した形で増殖してしまいます。
骨は節くれたりして、元に戻らなくあにます。

■ヒザ痛の悪循環

ヒザが痛いと力を入れたくなくなり、安静にして筋力が低下します。
するとよりヒザがぐらぐらするため、擦り減った所がより擦り減ってしまいます。
このようにヒザの痛みがさらなる痛みを生むという悪循環が起こります。



■ヒザが痛くなる要因

・65歳以上
・女性
・肥満
・遺伝
・O脚
・ヘバーデン結節

女性は脚の筋力が弱いため、変形性膝関節症の発症率が高くなります。
歩くときヒザに負担がかかる力は体重の2~3倍にもなるため、肥満はヒザ痛の要因となります。
O脚は常に軟骨の内側に負担がかかるため、軟骨が擦り減りやすくなります。
ヘバーデン結節とは、指の第一関節が太く変形している状態のことをいい、手の指が変形している人はヒザも変形しやすいといえます。

■変形性膝関節症の治療法

・鎮痛薬
 炎症を鎮めます。

・弱オピオイド
 直接骨同士がぶつかる強い痛みに使用します。

・ヒアルロン酸の関節内注射
 関節内の潤滑を高めて軟骨の損傷と痛みを抑えます。

・手術療法
 変形が進んで歩けない場合は、人工関節等を使い骨の角度を矯正します。

■脚上げ体操でヒザの痛みを改善

仰向けになり、片方のヒザを直角に曲げます。
伸ばした脚は足首をしっかり持ち上げ、ゆっくりと10cmほど上げて5秒間キープします。
ゆっくりと脚を下ろし2~3秒間休みます。
ポイントはしっかり太ももに力を入れることと、脚を高く上げ過ぎないことです。
左右20回ずつ繰り返します。

■脚横上げ体操でヒザの痛みを改善

横になって腕を楽な位置に置き、下のヒザに直角に曲げます。
上の脚を床から10cmほど上げて5秒間キープします。
ゆっくりと脚を下ろし2~3秒間休みます。
ポイントは太ももに力を入れ、体を上に向かないことです。
左右20回ずつ繰り返します。

■ボール挟み体操でヒザの痛みを改善

ボールを床に付けて太ももの間に挟みます。
軽くヒザを曲げボールを5秒間押しつぶします。
これを20回繰り返します。
ポイントはしっかり内ももに力を入れることです。

ヒザの痛み改善体操は1日2回、それぞれ15分程度行います。
ヒザの痛みを軽くし、ヒザの可動域が狭くならないように維持できるのでヒザに痛みのない生活を長く送ることができます。
変形性膝関節症の進行度が低い人には特に効果が期待でき、また変形性膝関節症が進行していても一定の効果が期待できます。
太もも裏のストレッチやアキレス腱伸ばしもヒザの痛み改善に効果的です。