今インフルエンザワクチンの効果が低下していますが、高齢者や入院患者のタミフルやリレンザの予防投与は大切です。
健康な子供がインフルエンザワクチンの予防接種を受けることによって、周りの家族などへのインフルエンザの予防につながります。
健康な成人がインフルエンザワクチンを受けることによって、高齢者や慢性疾患の人を守ることにもつながります。




■A型インフルエンザとB型インフルエンザ

人に感染する主なインフルエンザウイルスにはA型とB型があります。
A型には香港型(H3N2)やH1N1/2009(新型インフルエンザ)などがあります。
A型の香港型(H3N2)は、感染力が強く大きな流行を起こしやすいタイプで、症状が重くなることがあります。
B型は症状がA型よりも比較的軽く、限られた地域で流行するという特長があります。

■ヘマグルチニンとノイラミニダーゼのインフルエンザの突起

インフルエンザウイルスは表面に2種類の突起があります。
ヘマグルチニンという突起はHとやくします。
この突起で人のノドにインフルエンザウイルスがくっ付きます。
そしてそこで増殖してノドの細胞から外に出て来て、インフルエンザウイルスが周囲に広がる時にノイラミニダーゼという突起が重要になってきます。
ノイラミニダーゼをNとやくします。
ヘマグルチニンにはH1、H2、H3があり、ノイラミニダーゼにはN1、N2の種類があります。
インフルエンザウイルスは、それぞれの組み合わせで分類されます。

■インフルエンザワクチンの効果低下

インフルエンザワクチンは、打っておくとインフルエンザにかからないという効果が70%~90%あるといわれていました。
しかし近年は、インフルエンザワクチンの効果が40%~60%に低下しているといわれています。
健康な成人で40%~60%ということは、高齢者、子供、慢性疾患を持っている人では、20%~30%くらいしか効果がないと考えられています。

インフルエンザワクチンは、A香港型、新型インフルエンザ(季節性インフルエンザ)、B型の3つの混合されたワクチンとなっています。
しかし流行のウイルスの予測が外れると効きにくくなり、感染が広がる過程でウイルスが変異しやすいことがあります。
流行の最初の時期はインフルエンザワクチンが合っていても、流行が終わる頃には変わってくるため、インフルエンザワクチンの効果が悪くなるということがあります。
また製造過程でインフルエンザウイルスが変異してしまうことがあります。
インフルエンザワクチンは、卵の中で作ります。
卵の中でインフルエンザワクチンを作っている間に型が変わっていくという問題があり、インフルエンザワクチンの効果が下がってきています。
遺伝子操作をして、卵の中で増殖がしやすいインフルエンザウイルスを作り、それをインフルエンザワクチンとして使います。
しかし卵の中で増殖をしている間に形が変わってきてしまうことがあります。

■インフルエンザワクチンの開発

●細胞培養ワクチン
 イヌの腎臓細胞などを使って培養します。

●遺伝子操作によるワクチン
 遺伝子操作でヘマグルチニン(H)を作ります。

■抗インフルエンザ薬の内服予防・予防吸入

抗インフルエンザ薬には、タミフルやリレンザがあります。
タミフルとリレンザは、予防内服・予防吸入になります。
高齢者や慢性疾患のある人がインフルエンザに接触した場合に、これを発病する前からタミフルを飲んだり、リレンザを吸入することによってインフルエンザの発病を防ぎます。
高齢者施設の入居者や病院の入院患者などは、1人でもインフルエンザの感染者が出たら、同室のフロア全員が予防投与をすることになります。

■鳥インフルエンザ(H7N9)

鳥インフルエンザは、Hで16種類あり、Nで9種類あります。
鳥インフルエンザは、今のところ(2013年)鳥から人への感染だけで、人から人への感染はしていません。
もし中国に行くことがある場合は、生きたニワトリや鳥がいるマーケットにはできるだけ近づかないようにすることも大切です。
中国からの帰国時にインフルエンザの症状がある場合は、必ず検疫所で申し出て、きちんとした診断を受けることが必要です。