■大腸癌の治療

癌が進行して血管に入ると、癌細胞が血液を通って肝臓転移や肺転移が起きてきます。
さらに進行すると全身へ癌が広がっていきます。
癌の転移があった場合でも、切除することによって根治や完治が目指せるようになってきています。
また抗癌剤を併用することによって、切除ができないような状況でも癌を小さくして、手術と組み合わせることによってさらに完治が目指せるようになってきています。
進行した大腸癌でも、あきらめずに治療を行うことが大切です。




■大腸癌のステージ

大腸癌のステージでは、癌の深さが大切になってきます。
大腸壁は5つの層に分かれていて、一番内側から粘膜(ねんまく)、粘膜下層(ねんまくかそう)、固有筋層(こゆうきんそう)、漿膜下層(しょうまくかそう)、漿膜(しょうまく)となっています。

ステージ0:癌が一番内側の粘膜内に留まっている状態
ステージ1:粘膜下層や固有筋層に進んだ状態
ステージ2:固有筋層を越えて深くなっている場合
ステージ3:深さに関わらずリンパ節移転がある場合
ステージ4:肝臓や肺など他の臓器に転移がある場合

■ステージごとの大腸癌の治療法

ステージ0では内視鏡治療が基本になります。
ステージ1では内視鏡治療ですが、それ以降進んだ場合は手術療法が基本になります。
ステージ2では再発リスクも少し高い場合は術後補助化学療法も行う場合もあります。
ステージ3では手術療法と術後補助化学療法も考えていきます。
ステージ4では手術にさらに化学療法も考慮します。

■腸管切除とリンパ節郭清(りんぱせつかくせい)

リンパ節郭清(りんぱせつかくせい)とは、リンパ節を切除する外科的治療です。
基本は安全域で病気を切り取ることになりますが、少し広い範囲で切除します。
リンパ節転移があれば血管を含めて血管の根元かの方から病巣を切り取ります。



■術後補助化学療法

一般的には経口抗癌剤を6ヶ月内服します。
また再発チェックとして3ヶ月に1回腫瘍マーカーを含めた血液検査を行います。
さらに6ヶ月ごとにCTなどで画像検査のチェックを行います。
これを5年間、経過をみていきます。

■大腸癌の抗癌剤

フルオロウラシル+ホリナートカルシウム
オキサリプラチンまたはイリノテカン
ベバシツマブまたはセツキシマブ/パニツムマブ(分子標的薬)

薬を4種類組み合わせて使う治療が一般的になっています。

●ベバシツマブ
ベバシツマブは血管新生阻害剤といいます。
癌が大きくなる時に癌細胞自体が血管を作ってきます。
それを抑えて増殖を抑えます。

●セツキシマブ/パニツムマブ
セツキシマブ/パニツムマブは癌細胞が大きくなっていく上でのスイッチを切る働きがあります。
それによって癌細胞の増殖を抑えます。

■遺伝子検査 KRAS(ケーラス)

大腸癌の治療では、あらかじめどういう遺伝子を持った大腸癌であるかを知っておくことが大切になります。
これまでは大腸癌の治療では一律に抗癌剤を使っていましたが、近年では遺伝子検査で適切に薬を使うようになってきています。
KRASには野生型と変異型があります。
野生型は変異がないもので、変異があるものは変異型になります。
変異がないKRAS野生型では、ベバシツマブ、セツキシマブ、パニツムマブの分子標的薬の効果があります。
変異があるKRAS変異型では、ベバシツマブの分子標的薬になります。

■大腸癌(だいちょうがん)について!結腸癌と直腸癌の治療法、内視鏡治療