白血病は白血球になっていく若い細胞が癌化を起こし正常な血液が出来なくなる病気です。
慢性骨髄性白血病は無症状ですが、治療目標は分子標的治療薬(ぶんしひょうてきちりょうやく)で急性転化(きゅうせいてんか)させないことになります。




■白血病(はっけつびょう)について

私達の血液の中には、白血球、赤血球、血小板といった血液細胞が流れていますが、この血液細胞は元々同じ一つの細胞である造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)からできています。
造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)は骨の中にある骨髄と呼ばれる場所にあります。
造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)が骨髄の中で分化して、最終的に白血球、赤血球、血小板になっていきます。
この分化する過程で細胞が癌化してしまったのが白血病です。
どこの部分で異常が出るかで白血病の種類が決まります。
これまで白血病は不治の病とされ、骨髄移植しか治療法がないとされていました。
しかし最近では飲み薬だけで、治癒に近い状態を作れるようになってきています。
白血病は血液検査ですぐに分かります。

■慢性骨髄性白血病(まんせいこつずいせいはっけつびょう)

慢性骨髄性白血病(まんせいこつずいせいはっけつびょう)は、大元の造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)に異常が起きていることが分かっています。
慢性骨髄性白血病(まんせいこつずいせいはっけつびょう)の特徴としては、造血幹細胞の遺伝子レベルでフィラデルフィア染色体という異常遺伝子が出来てしまう点があります。
そのため体内で無限に増殖し始めて、大量の白血球が出来てしまいます。

■慢性骨髄性白血病は無症状

慢性骨髄性白血病の状態ではそれほど大きな症状がないとされています。
脾臓に溜まってお腹の中で脾臓が腫れてきて、お腹の圧迫症状が出ることがあります。

■急性転化(きゅうせいてんか)

フィラデルフィア染色体に、また造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)レベルで新たな遺伝子の変化が生じると、急性白血病のような急性転化(きゅうせいてんか)という状態になります。
すると血液細胞が無限に増殖してくるため、今度は正常な血液細胞が出来なくなってしまいます。
そのため発熱、感染症、貧血、出血傾向という状態になってしまいます。
3~4年の経過で慢性期から急性転化(きゅうせいてんか)に至とされています。



■慢性骨髄性白血病(まんせいこつずいせいはっけつびょう)の治療法

慢性骨髄性白血病(まんせいこつずいせいはっけつびょう)の治療法としては、分子標的治療薬(ぶんしひょうてきちりょうやく)があります。
分子標的治療薬(ぶんしひょうてきちりょうやく)は病気の原因だけを狙って、その働きだけを抑えてくれます。
慢性骨髄性白血病は、血液細胞の大元である造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)にフィラデルフィア染色体という異常な染色体ができるために起こります。
このフィラデルフィア染色体はBcr-Abl(ビーシーアールエイブル)という、通常私達の体には存在しない異常なタンパクを作り出します。
この異常なタンパクにはポケットのようなものがあります。
ここに私達の体に常にあるエネルギー物質がくっ付くと、異常なタンパクが活性化して、その結果異常な造血幹細胞が無限に作られてしまいます。
慢性骨髄性白血病の分子標的治療薬は、このタンパクのポケットにエネルギー物質の代わりにくっ付きます。
するとエネルギー物質はくっ付くことが出来なくなって働くことができなくなり、異常な造血幹細胞が作られなくなります。

■分子標的治療薬(ぶんしひょうてきちりょうやく)

・イマニチブ
・ニロチニブ
・ダサニチブ

通常はイマニチブで治療を開始し、副作用などで内服が困難な場合、効果が限定的になってきた場合には、ニロチニブやダサニチブに変更していきます。
最近では最初からニロチニブやダサニチブを使うことが認められ行われているそうです。
いったん急性転化(きゅうせいてんか)を起こしてしまうと効果が低くなってしまうので、治療目標は診断が付いた慢性の段階で薬を続けて行き、急性転化をさせないようにすることが治療目標になります。

■分子標的治療薬の副作用

・イマニチブ:吐き気、感染しやすい、貧血、むくみ
・ニロチニブ:発疹、頭痛、吐き気、血小板減少(出血しやすい)
・ダサニチブ:下痢、頭痛、胸水(呼吸困難、乾いたせき、胸の痛み)

■白血病の名医(2012年9月時点)

虎の門病院 部長 血液内科
谷口修一(たにぐちしゅういち)先生

■急性骨髄性白血病、寛解療法、抗癌剤、造血幹細胞移植

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