乳癌には浸潤癌と非浸潤癌があり、乳癌の手術療法には乳房切除術と乳房温存術があります。
非浸潤癌は癌が乳管の中に留まっているものをいい、浸潤癌は癌細胞が乳管を越えて外にまで広がった状態をいいます。
術前薬物療法は薬物を使用して癌を小さくして乳房を残すことが可能。
乳房再建術にはインプラントという人工物を乳房の中に入れる場合と自家組織を使った方法があります。




■乳癌について

乳房は母乳を作る小葉(しょうよう)と、それを運ぶ乳管(にゅうかん)があります。
乳管は細胞が奇麗に並んでいますが、その一部が癌化したものが乳癌です。
癌細胞は増殖を繰り返して乳管の中に広がっていきます。

■浸潤癌と非浸潤癌

癌が乳管の中に留まっているものを非浸潤癌(ひしんじゅんがん)と言います。
非浸潤癌の時は乳房を手で触れても分からないことが多いので、検診で早い時期に見つけていくことが大切になります。
一方、癌細胞が乳管を越えて外にまで広がった状態を浸潤癌(しんじゅんがん)と言います。
浸潤癌ではしこりが確認できます。
これは多くの癌細胞が集まって塊を作っている状態になります。
浸潤癌は血液やリンパの流れに乗って他の臓器に転移する危険性があります。

■乳癌の治療法

 ・手術療法
 ・放射線療法
 ・薬物療法

浸潤性の乳癌で他の臓器への転移がない場合は、まず手術を行います。
さらに手術をした後に再発をさせないことが大切になってきます。
他の臓器への転移がある場合は完治は難しいので、手術ではなく薬での治療が主体になります。
非浸潤癌の場合は転移がないので、手術で癌を取り除くことで完治させることが可能です。

■乳癌の手術療法

乳癌の手術療法には、乳房切除術(全摘)と乳房温存術があります。
乳房切除術は乳管の中に癌が広く広がっているので、癌を取り除くには乳房を全部取り除いてしまう必要があります。
乳房温存術が可能なのは癌が小さな広がりの場合で、この場合には癌と周辺組織だけを部分的に切除することが可能です。
美容的に満足できる形が残せることも可能です。
しかし乳房の大きさによっても変わってきます。
乳房が大きな人で小さな癌があった場合には、美容的に良い乳房を残すことができますが、乳房が小さい人だと同じしこりの大きさでも美容的に満足できる乳房を残すことが難しくなります。
乳房温存術を行った場合には、放射線治療が必要になります。
放射線治療は、取り除いた周りに目に見えない残っている癌細胞をたたくために行われます。
放射線治療をすることで乳房への局所の再発を抑えることが重要になります。



■術前薬物療法(じゅつぜんやくぶつりょうほう)

術前薬物療法(じゅつぜんやくぶつりょうほう)では、薬物を使用して癌を小さくして乳房を残すことができます。
ただし癌によって薬の利き方が違うので主治医との相談が必要になります。

■乳癌の位置

乳房の外にできている場合には、周りの脂肪などを使って形を整えることが可能です。
しかし乳房の下側に出来たり、乳首の近くに癌が出来た場合には、美容的に良い乳房を残す事が難しくなります。
凹みや陥没が出来たりして乳房を残す事が難しくなります。

■乳房再建術(にゅうぼうさいけんじゅつ)

乳房再建の方法には、インプラントという人工物を乳房の中に入れる場合と、自分の自家組織やお腹の脂肪、背中の筋肉を使って再建をする場合があります。
インプラントの場合はどうしても違和感があったりします。
またインプラントは保険の適用がありません。
自家組織の場合には違和感は少なく、保険の適用があります。
乳房再建術は、乳房の全摘をしたのと同時にそのまま再建してしまう同時再建と、手術をしてから何年か経ってから再建をする場合があります。

■乳癌の薬物療法

乳癌のタイプによってホルモン剤、分子標的治療薬、抗癌剤のそれぞれを使い分ける個別化治療が大切になってきます。
手術で取り除いた癌細胞を詳しく検査することでどの薬を使うか決めます。

●ホルモン剤
ホルモン剤は女性ホルモンの働きを抑えるので、女性ホルモンによって増殖する癌細胞のタイプに効きます。
副作用としては更年期障害や関節痛などがあります。
5~10年間治療を行います。

●分子標的治療薬
分子標的治療薬はHER2タンパクの働きを抑えるので、HER2タンパクを使って増殖する癌細胞のタイプに効きます。
副作用としては心毒性などがあります。
1年間治療を行います。

●抗癌剤
抗癌剤は活発に増殖する癌細胞を抑えるために広く使われます。
副作用としては脱毛や吐き気などがあります。
数ヶ月間治療を行います。

■乳癌!乳房の石灰化、マンモグラフィ検査、乳腺の超音波検査、乳房MRI