物忘れはには記憶がスムーズに引き出せない「ど忘れ」と、年齢に関係なく脳本来の記憶の仕組みによる「うっかり物忘れ」があります。
覚えるべき言葉のイメージをふくらませて物語にして記憶すると物忘れしにくくなります。
声に出し反復すればするほど記憶に定着しやすくなり記憶の強化につながります。




■物忘れと海馬(かいば)

物忘れは、若い人でも年を取った人でも同じ様に起こる脳の現象です。
私達が目で見た物、手で触った物、感じた情報は、脳の海馬(かいば)という場所に保存されています。
海馬(かいば)は記憶を入れておく箱のようなもので、何かを思い出そうとする時は、その箱の中から神経細胞という回路を通して記憶を引き出しています。
海馬の中は年を重ねれば重ねるほど記憶でいっぱいになっていきます。
少ない記憶の中から情報を探すのは簡単ですが、量が増えればそれが難しくなります。
日々情報を取り入れている脳にとって忘れることはあたりまえの情報です。

■ど忘れ

ど忘れとは、顔は知っているのに名前が思い出せない、簡単な漢字なのに出てこないといった、本来は知っているはずなのに記憶が引き出せないタイプの物忘れです。
きちんと保存されているのに急に引き出そうとすると、神経回路をスムーズに見つけられないことがあります。
これが物忘れの一つ目のタイプの「ど忘れ」です。

■うっかり物忘れ

うっかり物忘れとは、買い物などで買い忘れる、持っていく物を忘れるなどの物忘れです。
うっかり物忘れは、日常の習慣や無意識の行動に多く見られる、さっきまでは覚えていたはずの記憶です。
それらは脳に一時的に保存されますが、長く保存する必要がない短期記憶として海馬には入れられず、直ぐに消えてしまいます。
つまり覚えていられる時間は短いため、他の用事をしたり、考えているうちに忘れてしまうことが多いです。
うっかり物忘れは、脳本来の記憶の仕組みによるものなので年齢に関係なく起こります。
物忘れの中でも暗記を中心とした記憶力は20代を境に老化によって低下しますが、ど忘れ、うっかり物忘れは年齢に関係ない脳の自然な現象なので気にする必要はありません。



■認知症の物忘れ

認知症の場合は物忘れの症状が除々に進行して、日常生活に支障が出てきます。
記憶全体が失われるので、手がかりあっても思い出せなくなってしまいます。
認知症の物忘れは、自分が忘れた事にすら気が付かなくなります。
人の名前を忘れるだけでなく、身近な人でも知らない人だと思ったり、どこかに物を忘れた場合には、忘れた物ではなく、誰かに盗まれたと思ってしまう特徴があります。

■買い物忘れ予防術

日頃から脳を鍛えていると脳の神経回路が増えていきます。
脳は鍛えがいのある臓器でもあります。

●メモを取らない
メモを取るという行為は覚えないことを前提としているため、逆に忘れるきっかけになってしまいます。
人間の脳は、一度に7つまでのことなら覚えられると言われています。

●言葉を物語にして記憶
覚えるべき言葉のイメージをふくらませて物語にして記憶すると物忘れしにくくなります。
脳は言葉や固有名詞のような記憶は得意ではありません。
しかし目から入った情報が元となる映像を通した情報の記憶は得意です。
また意識して覚える事によって、記憶が脳に刻み込まれることになります。
それぞれのイメージが関連付けられて思い出しやすくなります。

■名前は声を出して記憶

名前を聞いたらそれを声に出すことが忘れないコツです。
会話の最中でも積極的に相手の名前を口に出すことがポイントです。
反復すればするほど記憶に定着しやすくなります。
相手の印象と、その人の名前を結びつけて自由にイメージをふくらませます。
積極的に情報を探す事も記憶の強化につながります。