胆のうポリープは胆のうの中に出来る出来物です。コレステロールポリープと過形成性ポリープは良性ですが、腺腫は癌になる危険性があります。胆のうポリープが癌を否定できないときは胆のう摘出術で取り除くことになります。




■胆のう

胆のうは肝臓に隠れるようにあり、体のみぞおちのやや左側の肋骨の下あたりにあります。
肝臓で胆汁という消化液が作られますが、胆のうはそれを溜めておいて濃縮しています。
食べ物が十二指腸に入ってくると胆汁を出し、脂肪の消化を助けてくれます。

■胆のうポリープ

胆のうの中に出来る出来物が胆のうポリープです。
小さい胆のうポリープはほとんどが良性なので、すぐに手術をすることは稀です。
胆のうポリープの小さいものは普通症状はありません。
胆のう癌は進行するとお腹の痛み、黄疸、体重減少という症状が出ますが、小さい胆のう癌は無症状が多いです。
胆のうポリープには、コレステロールポリープ、過形成性ポリープ、腺腫(せんしゅ)、癌という種類があります。
コレステロールポリープと過形成性ポリープは良性で放っておいても癌になることはありません。
腺腫は時間の経過とともに癌になることがあります。

■コレステロールポリープ

コレステロールポリープは、胆汁中のコレステロールが胆のうの粘膜に沈着して出来たポリープです。
健康診断で見つかるポリープのほとんどがコレステロールポリープです。
形は金平糖や桑の身のような形をしていて茎があります。
大きさは1cmより小さいことが多く、多発しやすいという特徴があります。
脂っこい食事をしていると胆汁中のコレステロールが増えるのでコレステロールポリープが出来やすくなります。

■過形成性ポリープと腺腫(せんしゅ)

過形成性ポリープと腺腫(せんしゅ)は、どちらも胆のうの粘膜が増殖して出来たポリープです。
大きさは1cmより小さいことが多く、1個ないし複数個出来ます。
顕微鏡で粘膜をみると、過形成性ポリープの方は一つ一つの細胞の形は正常で、腺腫の方は細胞の構造に異常がみられます。
ただし手術で胆のうを取ってみないと顕微鏡検査をすることは出来ないので、手術前に過形成性ポリープと腺腫を区別することは難しいとされています。



■胆のう癌

癌は大きさは1cm以上であることが多く、単発で出来ることが多いです。
またポリープの周囲の粘膜にも形の変化があり、時間の経過とともに大きくなってくるという特徴があります。
見つかった時点で1cmより小さくても、除々に大きくなってくると癌の可能性が高くなってくるので経過観察が必要になります。

■胆のうポリープの経過観察

5mm以下であれば1年ごとに超音波検査
6mm~1cmであれば6ヶ月ごとに超音波検査
1cm以上だと精密検査を受け、手術か経過観察かを判断します。

■胆のうポリープの主な検査

・腹部超音波検査
・CT、MRI
・超音波内視鏡検査
・血液検査(腫瘍マーカー)

超音波内視鏡検査は、胃カメラの先端に超音波の装置が付いていて、胃のカベや十二指腸のカベ越しに胆のうをみる検査です。
ポリープの形や深さがより詳しく分かります。

■胆のうポリープの治療法

癌が否定出来ない場合は、胆のう摘出手術で胆のうをまるごと取り出す手術を行います。
胆のう癌は初期には症状がないので、気が付いた時にはかなり進行していることが少なくありません。
胆のうの周りには肝臓や十二指腸、膵臓という臓器もあるので、進行癌の手術では胆のうだけではなく、周りの臓器もまとめて取る手術が必要になることもあります。
癌かどうか分からない段階で手術を行えば、胆のうや少し周りだけ取る手術だけで治療が済むこともあります。
薬で癌をなくすことは難しく、手術できる胆のう癌に放射線治療の適用はありません。
胆のうがなくても胆汁は肝臓で作られて胆管を通って腸に流れていきます。
ただし胆のうがないと濃い胆汁が作れなくなる分、脂っこい食事をした時に下痢しやすくなると言われています。

■胆のう摘出術

●開腹手術
お腹を大きく開けて胆のうを取ります。

●腹腔鏡手術
お腹に何カ所かの穴を開け手術器具を挿入し、テレビモニターをみながら胆のうを摘出します。

●ICG
手術前にICGを注射して胆のうや胆管を光らせて手術を行います。
ICGを使って造影すると胆汁中のICGが蛍光を発するので、傷付けてはいけない胆管が白く光ります。
画像を切り替えて手術をすることにより、どの場所で切り離せばよいかが分かりやすくなります。

■胆のう・肝臓・膵臓の名医(2012年8月時点)

東京大学医学部附属病院 助教 外科
石沢武彰(いしざわたけあき)先生