過敏性腸症候群は腹痛と下痢や便秘を繰り返すなどの症状が起こります。過敏性腸症候群は特にストレスの影響を受けやすいという特徴があります。腸内細菌のバランスが崩れたり、感染性腸炎にかかると過敏性腸症候群になりやすくなります。




■過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)について

過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)は、人口の10%~20%いると考えられています。
20代~30代の若い年代に多く見られる病気です。
女性は便秘の症状の傾向があり、男性は下痢の症状の傾向があります。
一時的な体調不良など、たまに起こるだけなら過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)ではありません。
生活に支障が出る場合、仕事や家事がはかどらない、外出を控えてしまう、食事が思うように摂れないといった症状が出た場合は、消化器内科を受診した方が良いです。
ストレスが大きい時は心療内科を受診すると良いです。

■過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)の特徴

・腹痛と下痢や便秘を繰り返す
・普通の検査では異常が見られない
・ストレスが非常に大きく影響している

 過敏性腸症候群の人は特にストレスを感じやすいという特徴があります。

■過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)チェック

1:お腹の痛みや不快感が、最近3ヶ月間、月3日以上繰り返し起こっている
  痛むほどではない不快感、お腹が張る、ガスが溜まるなども当てはまります。
  当てはまった人はチェック2に進みます。
2:お腹の痛みや不快感があるとき
 ・便が軟らかくなったり、硬くなったりする
 ・お腹の痛みに伴って排便回数が増えたり減ったりしている
 ・お腹の痛みや不快感が排便するとやわらぐ

チェック1が当てはまり、チェック2が2つ以上当てはまれば、過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)の可能性があります。

■下痢型・便秘型・混合型の過敏性腸症候群

過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)には、下痢型と便秘型があります。
水分量が少なくなるとウサギの糞のような硬い便の便秘型の過敏性腸症候群になります。
水分量が多くなくなると水溶便や泥状の泥状便の下痢型の過敏性腸症候群になります。
もうひとつ両方が混じった混合型の過敏性腸症候群もあります。



■過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)の原因

 ・体質
 ・環境
 ・偏った食事
 ・不規則な生活
 ・ストレス
 ・感染性腸炎
 ・腸内細菌

■ストレスと過敏性腸症候群

脳がストレスを感じると脳の興奮が起こり、興奮が自律神経やホルモンを介して腸に伝わります。
腸の中では消化管の運動が起こり、運動が激しくなり過ぎると、これが下痢を起こしてきます。
あるいは運動が不規則に起こると便を進ませることができなくなり、便秘を引き起こしてしまいます。
その結果、高まった腸の圧力が脳に伝えられ、これが腹痛という症状を引き起こします。
このようにして脳の興奮が起こるとストレスを大変感じやすくなり、悪循環が起こってきます。
このようにストレスによって起こる反応は珍しくありませんが、過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)の人は脳や腸が非常に過敏であるため、この反応が起こりやすいと考えられています。

■鬱(うつ)と過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は、うつや不安を伴うということが少なくありません。
辛い便秘が続いて気が滅入ったり、気が滅入ることでますます症状が悪化するという悪循環が起こることもあります。

■感染性腸炎(かんせんせいちょうえん)と過敏性腸症候群

感染性腸炎(かんせんせいちょうえん)は、国内でも食中毒などで感染するということがあります。
その原因菌として、サルモネラ菌、カンピロバクター菌、赤痢菌などがあります。
これらの菌に感染した後に過敏性腸症候群になりやすいということが分かっています。
腸の炎症やそれに対する免疫反応が関係すると考えられています。
そして同じ感染症にかかっても、ストレスが重くかかっている人には、過敏性腸症候群が発症しやすいということが分かっています。

■腸内細菌と過敏性腸症候群

腸内の常在菌には悪玉菌と善玉菌があります。
善玉菌が減って悪玉菌が増えてくると、過敏性腸症候群になりやすいということが分かっています。

■過敏性腸症候群と症状が同じ病気

・大腸癌
・潰瘍性大腸炎
 大腸に潰瘍が出来る病です。
・クローン病
 大腸だけではなく小腸も含めた消化管に潰瘍が起こる病です。

血便、発熱、体重減少などの症状や兆候があれば重い病気が疑われます。
過敏性腸症候群ではこういった症状は起こります。

■過敏性腸症候群の治療法

●薬物療法(過敏性腸症候群の治療)
・高分子重合体
 下痢、便秘、腹痛のいすれにも効く薬で、副作用がありません。

・消化管運動調節薬
 異常になった消化管の運動をコントロールしてくれます。
 副作用としては肝機能障害が起こることもあります。

・セロトニン3受容体拮抗薬
 男性の下痢型の場合の腸の知覚過敏や運動の異常を抑えてくれます。
 副作用としては便秘になることがあります。

以上の薬が効かない場合
 下痢の場合:乳酸菌製剤、止痢薬
 便秘の場合:下剤、消化管運動促進薬
 腹痛の場合:抗コリン薬、抗うつ薬

●ストレス対策(過敏性腸症候群の治療)
・自分で出来るストレス対策
 楽しみを持つ
 軽い運動をする
 疲れを溜めない
 時間に余裕をもって生活する

・薬を使ったストレス対策
 うつの症状がある場合には抗うつ薬を使います。
 不安や緊張が強い人には抗不安薬を使います。

・心理療法
 弛緩法、認知行動療法などがあります。

●食事の改善(過敏性腸症候群の治療)
原則としては規則正しい食生活送り、栄養をバランス良く摂ることになります。

●生活習慣の改善ポイント(過敏性腸症候群の治療)
・睡眠
 早く寝て早く起きることで排便の習慣が改善されます。
 腸の運動にも睡眠は効果的です。

・排便
 我慢しないことが大切です。

・運動
 運動することにより便通が改善されます。

■過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)の名医

東北大学大学院 教授 心療内科
福土審(ふくどしん)先生