脳出血は高血圧が原因で動脈がもろくなって出血する病で、くも膜下出血は脳動脈瘤破裂して出血する病です。6時間以内は脳動脈瘤の再破裂の可能性が高い。開頭クリッピング術は特殊なクリップで再破裂を防ぐ方法です。
コイル塞栓術はカテーテルで金属のコイルでコブの中を埋めて再破裂を防ぐ方法です。くも膜下出血と脳出血の症状としては激しい頭痛や嘔吐があります。




■くも膜下出血と脳出血

くも膜下出血や脳出血を起こした場合は、一刻も早く出血をくい止める治療を行うことが大切になります。
くも膜下出血も脳出血も、脳の血管が破れることで起こりますが、出血の仕方や場所によって違ってきます。

■脳出血の原因

脳出血の7割~9割は、高血圧が原因で起こると言われています。

■くも膜下出血の原因

くも膜下出血は、脳の動脈に出来るコブ(脳動脈瘤)が原因によって起こるのがほとんどです。
人口の100人に1人が脳動脈瘤があると言われています。

■脳出血

脳出血は脳の動脈がもろくなって破れて出血をします。
出血は脳の中に広がっていきます。
この出血を広げないことが大切になります。

■くも膜下出血

脳の中を通っている血管の先端、脳の表面に近いところで枝分かれしている場所では、流れている血液の圧力が常にカベにかかっているので、カベが膨れてコブができることがあります。
これが脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)です。
このコブが破れると、脳を包んでいるくも膜の隙間に出血が広がります。
くも膜下出血の場合は、このコブを塞いで再び出血しないようにすることが大切になります。
くも膜下出血は、破れたコブの部分にかさぶたが出来ていったん固まります。
ただしその状態では再び破れる可能性が高い状態にあります。
コブが再び破れて出血が広がり過ぎると命に危険が及びます。
そのため再破裂を防ぐということが、くも膜下出血の対応において大切になります。
原則としては可能な限り早く手術を行うことが大切になります。

■6時間以内はコブの再破裂の可能性が高い

いったん出血しているコブは、発症してから6時間の間に再破裂の可能性が高いと言われています。
そのため脳血管カテーテル検査をした後に治療法の選択をすることになります。
治療法には主に開頭クリッピング術とコイル塞栓術があります。
脳動脈瘤の因子や年齢などから、患者さんの家族と相談して最終的にどちらにするかを決めます。



■開頭クリッピング術

開頭クリッピング術とは、頭の骨をはずして行う手術で、破れたコブの付け根を特殊なクリップで遮断することで再破裂を防ぐ治療法です。
開頭クリッピング術は、頭を開くため患者さんの体への負担が大きいことがあります。
ただし治療直後から再発予防がほぼ完全に出来るというメリットがあります。

■コイル塞栓術

コイル塞栓術とは、足の付け根から入れたカテーテルを脳のコブまで運んでいき、金属のコイルでコブの中を埋めて、血液が入らないようにして再破裂を防ぐ治療法です。
コイル塞栓術は、体への負担が小さいというメリットがあります。
ただし治療直後から動脈瘤を完全に遮断する分けではないので、塞栓状態の経過観察が必要になります。
稀に再破裂することもあります。

■手術後の体調管理

発症してから2週間の間は、時に脳の血管が収縮して脳の血流が悪くなり、大きな脳梗塞を起こす危険性があります。
発症してから2週間の間は予断を許すことが出来ない状態が続きます。
脳出血は、出血してから早期に脳内出血が自然に止血すると考えられています。
発症してから出血の拡大を防ぐということが大事になってきます。

■脳出血の治療

●内科的治療
 ・血圧の管理をしっかり行う
 ・合併症の管理も同時に行う
 ・脳の腫れをしっかりコントロールする
 ・けいれんの抑制

手術に至らないように出血の拡大を防ぎます。

●手術療法
 ・開頭血腫除去術
 ・定位的血腫吸引術

血腫の大きさ、患者さんの年齢、血腫の場所などによって手術すべきかどうか判断します。
実際3割ぐらいの患者さんに血腫が見られます。
その場合は頭を開いて血腫を除去する必要があります。
定位的血腫吸引術は、CTや内視鏡を使って小さな穴を開けて血腫を吸引します。

■くも膜下出血と脳出血の主な症状

・激しい頭痛
 いままでに経験した事のない頭痛、ハンマーで殴られたような痛み
・嘔吐

■くも膜下出血と脳出血に気を付けた方が良い人

・家族に、くも膜下出血や脳出血にかかった人がいる
・高血圧
・大量飲酒
・喫煙

■脳卒中の手術など外科的治療の名医

国立循環器病研センター 脳神経外科 部長
飯原弘二(いいはらこうじ)先生

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