高血圧は心臓から送り出された血液が血管のカベに与える圧力が高い状態。血管収縮型高血圧は血管が収縮することで血圧が上がる高血圧。血液量過剰型高血圧は身体の中の血液の量が増えることで起こる高血圧です。




■血圧について

私達が生命を維持するために、塩分の濃度が一定に保たれているということが欠かせません。
塩分を摂取すると吸収されて血液中の塩分濃度が濃くなります。
すると塩分の濃度を一定に保つために一緒に水分も吸収されて血液の量が増加します。
このため血管が一時的にパンパンになり血圧も上昇してしまいます。
このときに働くのが腎臓(じんぞう)です。
腎臓は体の中で増えた血液をろ過して、塩分と水分を体外へと排出します。
その結果血液量は元に戻り、血圧も正常となります。
逆に脱水症状などで体の水分量が減ってしまうと、血液量も減少してしまい血圧は下がってしまいます。
そこで必要に応じて血管は収縮することで、低くなった血圧を上げて正常に戻します。

■高血圧(こうけつあつ)

高血圧(こうけつあつ)は、心臓から送り出された血液が血管のカベに与える圧力が高くなってしまうことです。

■高血圧の名医(2012年6月時点)

慶応義塾大学 教授 高血圧・内分泌
伊藤裕(いとうひろし)先生

■高血圧の判断基準

医療機関などで測る診察室血圧では、140/90mmHg以上になると高血圧になります。
家庭で測る家庭血圧では、135/85mmHg以上になると高血圧になります。

■血管収縮型高血圧と血液量過剰型高血圧

高血圧には2つのタイプがあります。
一つは血管収縮型高血圧で、もう一つは血液量過剰型高血圧があります。
血管収縮型高血圧は、血管が収縮することで血圧が上がるタイプです。
ホースの先をギュッとつまむと水が勢いよく出ますが、こういうことが血管でも起こる高血圧です。
血液量過剰型高血圧は、身体の中の血液の量が増えることで起こる高血圧です。
どちらも血圧にかかる圧力が高くなるため、動脈硬化により血管のカベが厚くなったり、硬くなったりしてしまいます。
またそのことでさらに高血圧が悪化し、悪循環を引き起こしてしまうこともあります。

■神経質・心配性な性格と高血圧

神経質な人や心配性な人は些細なことでも気にしてしまい、脳がそれをストレスと感じ取ってしまいます。
すると意思とは関係なく交感神経が活性化してしまいます。
するとノルアドレナリンと呼ばれるホルモンが分泌され、血管に作用して血管収縮してしまいます。
交感神経は腎臓にも作用し、レニンという物質を多く分泌します。
レニンはアンジオテンシンという収縮させるホルモンを作る命令を出し、結果血管が収縮してしまいます。

■腎臓と血液量過剰型高血圧

年齢が高くなると一般的に腎臓の機能が悪くなります。
もともと腎臓の働きが弱い体質があると 摂取した塩分がどれだけ腎臓から排出されるかで、体の中の血液量が決まるので、腎臓の働きが悪くなってしまうと血液量過剰型高血圧になってしまいます。

■血液検査で高血圧のタイプが分かる

高血圧は血液検査で血管収縮型高血圧と血液量過剰型高血圧のどちらのタイプかが分かります。
ノルアドレナリン、レニン、ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)の数値で分かります。
腎臓が悪くなると体の中の血液量が増えてきます。
すると血管がパンパンになってきますが、同時に心臓も腫れてきます。
すると心臓から腎臓に溜まった塩分や水分をたくさん出しなさいというホルモンが出ます。
これがANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)です。
血管収縮型高血圧では、ノルアドレナリンが高くなります。
血液量過剰型高血圧では、レニン、ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)が高くなります。



■白衣高血圧

白衣高血圧とは、家庭で血圧を測ると正常ですが、医療機関で白衣を見ただけで血圧が上がってしまう高血圧です。

■夜間高血圧と血液量過剰型高血圧

血圧は日中が高く、寝ている間は下がっています。
夜寝ている間も血圧が高い時は、腎臓が悪くなって血液量過剰型高血圧になっている可能性があります。

■早朝高血圧と血管収縮型高血圧

朝の血圧は高いですが、極端に高い時は交感神経の活性が高く、血管収縮型高血圧になっている可能性があります。

■肥満と高血圧

肥満は多く食べるために常に腸管が動いています。
そして有余ったカロリーがお腹などの脂肪細胞に溜め込まれてしまいます。
すると私達の意識とは関係なく交感神経が活発化して腸管に働きかけ、これ以上たくさん食べて消化しないようにしたり、 溜まったエネルギーや脂肪を燃やそうとします。
その時にノルアドレナリンという物質が多く分泌されます。
しかし副作用的に血管に作用して血管を収縮させて高血圧になってしまいます。
また交感神経は腎臓にも働いてレニンという物質を多く作ります。
そのために血管収縮するように働いて高血圧を引き起こしやすくなってしまいます。
交感神経が活性化すると腎臓に作用し、腎臓が身体に何か悪いことが起こっていると勘違いして身体に必要な塩分を身体から逃がさないようにしてしまいます。
そのため血液量が増えて、血液量過剰型高血圧も引き起こしてしまいます。
肥満は血管収縮型高血圧と血液量過剰型高血圧の両方のタイプを持った高血圧になってしまいます。

■運動と高血圧

運動すると心臓の心拍数が増え、そのことが刺激となりANPが多く分泌されるようになります。
また運動することで血管の中を流れる血液量も増えて刺激となり、血管の内側にある細胞から血管を広げる作用のあるNO(一酸化窒素)などのホルモンが出てきます。
つまり運動するとANPやNO(一酸化窒素)が出ることにより血管を広げて、塩分を身体から排出してくれます。
ウォーキングなどを1日30分以上行うと良いです。

■睡眠と高血圧

5時間以下の睡眠をとっている人は、高血圧の発症リスクは2.1倍になります。
寝ている間は、交感神経が働くのを抑制する作用があるので睡眠が重要になります。

■原発性アルドステロン症による高血圧

アルドステロンとは、腎臓の上にある副腎から出されるホルモンで、塩分を溜め込むホルモンです。
原発性アルドステロン症とはアルドステロンが過剰になる病で、腫瘍などが出来ることによりアルドステロンが増えてしまいます。
そのため血液量過剰型高血圧になってしまいます。
高血圧の薬を増やしても血圧が下がりにくい時は、原発性アルドステロン症を疑う必要があります。
原発性アルドステロン症は、血圧検査などによりアルドステロンを測ることにより病気を発見することができます。
治療には、腫瘍を手術で取り除いたり、アルドステロン拮抗薬で薬物治療を行います。

■高血圧の治療薬

●カルシウム拮抗薬
血管を直接広げる作用があります。
血管収縮型高血圧と血液量過剰型高血圧の両方のタイプに用いられます。

●ARB・ACE阻害薬
血管の収縮に作用し、レニンやアンジオテニンの作用を抑制する作用があります。
主に血管収縮型高血圧に用いられます。

●交感神経抑制薬
脈拍が早く交感神経が敏感な人に用います。

●利尿薬
塩分や水分を身体から出す作用があります。
主に血液量過剰型高血圧に用いられます。

■薬を飲むタイミング

夜も血圧が高い場合は、薬を夜に飲む、または朝と夜飲みます。
朝の血圧が非常に高い場合は、起床後すぐ飲む、夜のむ場合もあります。

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