脳梗塞は前兆である一過性脳虚血発作・TIAに気付いて適切な治療を行えば防ぐことも可能。




■脳梗塞

脳梗塞を発症すると、後遺症が残ったり、死に至ることもあります。
脳梗塞は、その前兆に気付いて適切な治療を行えば防ぐことも可能です。
これまで脳梗塞は、発症してから対応していましたが、その前兆の段階での治療が大事になってきています。
脳梗塞は再発率が高いですが、その予防には適切な薬物療法と生活習慣の改善が大切になります。

■一過性脳虚血発作・TIA

一過性脳虚血発作のことをTIAと言います。
一時的に脳の血の巡りが途絶えた状態をいいます。
脳梗塞では、動脈硬化などが原因で脳の血管に血栓が詰まり、その先に血液が行かなくなり、脳の細胞に酸素や栄養が行き渡らなくなって脳細胞が死んでしまいます。

■一過性脳虚血発作・TIAと脳梗塞

一過性脳虚血発作・TIAは血栓が詰まるところまでは脳梗塞と同じですが、血栓が直ぐに自然に溶けてしまいます。
そして途絶えていた血流が再開し、脳細胞に再び酸素や栄養が行き渡り、ダメージはほとんど受けず症状も短時間で治まります。
一過性脳虚血発作・TIAの発症した人の15~20%の人が、3ヶ月以内に脳梗塞になると言われています。

■一過性脳虚血発作・TIAの症状

●片側の麻痺や痺れ
軽度の麻痺の場合、手の平を上に向け前に伸ばすと、麻痺のある側の手が内向きになって下がってきます。
足の場合も同じ様に、麻痺のある側が下がっていきます。

●顔がゆがむ、唇が痺れる
強い麻痺では口角が下がってきます。
弱い麻痺の時は「いー」と発声すると、麻痺している側の口角が動きません。

●ろれつが回らない、言葉が出にくい
「らりるれろ」を発音すると、ろれつが回らなかったり、言葉が出てきません。

●片目が「スーッ」と見えなくなる
一過性脳虚血発作・TIAが起こり、発作直後から脳梗塞に移行することが多くあります。
脳梗塞の前兆があったら、直ぐに医療機関を受診することが大切です。

■t-PA治療法

t-PA治療とは、脳細胞が死んでしまう前にt-PAという薬を血液中に流して血栓を溶かす治療法です。
血栓を溶かして取り除くことで後遺症を軽減して症状を改善します。

●t-PA治療は発症後3時間以内(t-PA治療の必要条件)
3時間以上経つと血管がもろくなり脳神経細胞が死んでしまい、そして脳出血が起こってしまいます。

●脳出血のリスクが低い(t-PA治療の必要条件)
t-PAは血栓を溶かす薬なので、血液を固まりにくくする薬でもあります。
そのため脳出血を起こしやすかったり、体内に出血を起こしたりするリスク要因があるとt-PA治療は受けられません。

●t-PA治療が出来ない場合
・梗塞範囲が広い
・最近手術をした
・出血しやすい体質
・血圧管理が出来ていない

■血栓除去療法

血栓除去療法とは、足の動脈からマイクロカテーテルを入れて、脳の中の血栓があるところまでループワイヤーを進め、これに血栓を絡めて体外に除去する治療法です。
t-PAの治療時間を過ぎた人でも、8時間以内までなら血栓除去療法が可能となっています。
血栓除去療法は重症の人を対象で、出血リスクや死亡のリスクもあります。