子宮筋腫は子宮に出来るコブのことで良性の腫瘍なので経過観察が大切になります。妊娠・出産を普通にしている人が多いですが、場所・大きさ・数などにより不妊につながる可能性があります。




■子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)について

子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)とは、子宮に出来るコブのことをいいます。
子宮筋腫は30歳以上の女性の4人に1人に見つかるという身近な病です。
子宮筋腫は良性の腫瘍なので癌とは違い、基本的には心配はありません、経過を見ていくことが大切になります。
子宮筋腫は子宮の筋肉の層である筋層に出来てきます。
そのまま筋層の中で大きくなっていくものが、子宮筋腫全体の7割を占めています。
子宮内膜の下のところに出来たり、子宮の外側へ突き出るように大きくなったりするものもあります。
子宮筋腫は通常複数個出来ます。
子宮筋腫は女性ホルモンの影響を受けて大きくなっていきます。
月経がある年齢の間は、子宮筋腫は除々に大きくなっていきます。
一般的には閉経すると小さくなっていきます。

■子宮筋腫・不妊治療の名医(2012年5月時点)

母子愛育会愛育病院 産婦人科 部長
安達知子(あだちともこ)先生

■子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)の原因

子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)の原因はまだよく分かっていませんが、良性なのでそれほど恐れる必要はありません。
ただし日常生活に支障が出ることもあり、妊娠・出産時のリスクになることもあります。

■子宮と月経

子宮は筋肉にできた袋になります。
内側の表面は、子宮内膜という粘膜で覆われています。
子宮内膜は、排卵日前には厚みを増して受精卵を迎える準備をします。
受精がなければ内膜は剥がれ落ちて子宮外へと出ていきます。
これが月経です。

■子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)の症状

・過多月経(かたげっけい)
・月経痛(げっけいつう)
・貧血
・血の塊
・不正出血
・動悸や息切れ
・下腹部が出る
・頻尿
・腰痛

子宮筋腫が小さければ症状は無いですが、大きくなってくると子宮全体も大きくなってきます。
そして子宮に流れ込んでくる血液量も多くなり過多月経や月経痛の症状が出てきます。
子宮内膜の近いところに子宮筋腫が出来た場合、血液は子宮内膜に集まりやすいので過多月経がひどくなり、血の塊のようなものが3~4日続いたりすることもあります。
そのため貧血になることもあり、進行すると心臓が酸素不足になって動悸や息切れの症状が起こることもあります。
月経の後に貧血が出るようであれば危険信号でもあります。
1時間おきにナプキンを替えなくてはならないような日が2日以上続くようだと過多月経の可能性があります。
場所によっては子宮が大きくなると下腹部が出てきたりします。
前側に子宮筋腫が出てくると膀胱を圧迫するので頻尿が起こることもあります。
後ろ側に子宮筋腫が出流と腰痛が出ることもあります。



■子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)と妊娠・出産

多くの人は子宮筋腫があっても妊娠・出産を普通にしている人が多いです。
ただし子宮筋腫が出る場所・大きさ・数などにもよりますが、不妊につながってしまう場合もあります。
妊娠すると女性ホルモンが出て子宮筋腫が大きくなることがあります。
すると流産しやすくなったり、早産しやすくなったり、お産の時に大量出血を起こしたり、難産になったりすることもあります。

■子宮肉腫(しきゅうにくしゅ)

一般的に閉経後は子宮筋腫は小さくなりますが、子宮肉腫(しきゅうにくしゅ)という悪性の腫瘍により筋腫が大きくなっていくこともあります。
子宮筋腫と診断されたら、症状がなくても、どんな年齢でも定期検診を行い、経過観察していくことも大切です。

■子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)の検診

子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)の検診では、内診や超音波検査を行います。
子宮筋腫が大きくなっていないか、形の変化などを経過観察していきます。
1年に1~2回の子宮筋腫の検診が望ましいとされています。

■子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)の治療法

●薬物療法(子宮筋腫の治療法)
造血薬:貧血がある時に使用します。
鎮痛薬・漢方薬:月経痛や腹痛がある時に使用します。

●ホルモン療法(子宮筋腫の治療法)
女性の排卵を止めて月経をなくしたり、月経の量を少なくすることにより過多月経を改善します。

●手術療法(子宮筋腫の治療法)
子宮筋腫の手術療法は、不妊・妊娠・分娩に影響があったり、日常生活に支障があって症状が悪化してきた場合に行います。
筋腫のコブだけを取る治療と子宮を全部取る治療があります。
子宮筋腫を取る治療は妊娠・出産は可能ですが、子宮筋腫が再発したりすることがあります。
子宮全体を取る場合は妊娠・出産は不可能になりますが、再発がなくなります。
子宮を全部取った場合でも左右の卵巣は残るので、更年期障害が出てくるというものではありません。
手術には開腹手術と腹腔鏡手術があります。
開腹手術は確実で安全ですが、傷が大きく、入院期間も長くなります。
腹腔鏡手術の場合は、筋腫がとても大きかったり、癒着がひどかったり、筋腫がたくさんあったりすると限界があります。
ただし入院期間が短く傷も小さいので早く回復するメリットがあります。

●子宮動脈塞栓術(しきゅうどうみゃくそくせんじゅつ)
子宮動脈塞栓術(しきゅうどうみゃくそくせんじゅつ)とは、足の付け根の動脈からカテーテルという管をを挿入して行います。
子宮動脈のところで動脈を詰まらせ、これにより筋腫行く酸素や栄養が減り、筋腫が縮小し吸収してなくなっていくというものです。
ただし限界もあり、場合によっては匂いをともなうおりものが長く続いたり、痛みが長期間続くこともあります。