胃食道逆流症は胃液が食道の中に上がってきてびらんや炎症が起こる病気。胃食道逆流症の原因は下部食道括約筋の機能低下、胃酸過多、食道の知覚過敏があります。逆流性食道炎は胃液が食道に上がって食道に炎症や潰瘍が起こる病。非びらん性逆流症は食道の炎症や潰瘍がないのに胃もたれや胸焼けなどの症状がある病。




■胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)

胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)とは、胃液が食道の中に上がってくる病気です。
胃液は、胃の中で食物の消化や入ってきた細菌を退治する役割があります。
胃には胃液から守る働きがありますが、食道には胃酸から守るすべがありません。
そのため胃酸が上がってくると、びらんや炎症が起こってしまいます。
これが胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)です。

■逆流性食道炎と非びらん性逆流症

胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)には、逆流性食道炎と非びらん性逆流症の2種類があります。

●逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)
逆流性食道炎とは、胃液が食道に上がってくることにより食道の炎症や潰瘍(かいよう)があるものになります。

●非びらん性逆流症
びらんとは、炎症や潰瘍のことをいいます。
非びらん性逆流症とは、食道の炎症や潰瘍がないのに胃もたれや胸焼けなどの症状があるものです。
逆流性食道炎よりも非びらん性逆流症の方が患者数は多いですが、症状がないのでなかなか見つけることが難しいとされています。
自分で我慢してしまっている人も多くいるそうです。

■下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)

口から入った食べ物は食道を通って胃の中に入り、ここで胃酸と消化酵素で殺菌消化されます。
食道と胃の境目には、下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)という筋肉があり、入り口を締める働きをしています。
胃に入った食べ物や胃酸が逆流しないようになっています。
食後すぐに横になっても食べ物が出てこないのはこの仕組みのおかげです。
この下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)が何らかの原因で緩んだりすると逆流しやすくなってしまいます。



■胃と食道の名医(2012年5月時点)

兵庫医科大学 教授 消化器内科
三輪洋人(みわひろと)先生

■胃食道逆流症の原因

胃食道逆流症の原因には、下部食道括約筋の機能低下、胃酸過多、食道の知覚過敏(ちかくかびん)などがあります。

●下部食道括約筋の機能低下
食べ過ぎ、アルコール、脂っこい物を食べる、太って腹圧が上がってしまうなどの食生活や生活習慣により、下部食道括約筋の機能低下が起こりやすくなってしまうと考えられています。

●胃酸過多
胃酸が多くなると、胃酸が胃から食道の上の方に上がりやすくなってしまいます。
近年日本人は、胃酸が多くなっていると言われています。
この原因の一つとしては、医療の進歩や知識の普及などによりピロリ菌が少なくなった事があります。
ピロリ菌が減少したことで胃が元気な人が増えてきて胃酸が増えてきたことが考えられます。
食べ物や食事が欧米化してきたことで胃酸を刺激されやすくなっていることが考えられます。
またそれにともない肥満が増加しています。
胃酸の量は体重と相関すると言われています。
体重の増加とともに胃酸の量も増えていると考えられます。

●食道の知覚過敏(ちかくかびん)
近年、食道にも知覚過敏(ちかくかびん)があるということが分かってきています。
炎症があるというのは、胃酸の分泌が非常に戻りが多くなります。
炎症がないと胃酸は少ないですが、少しの胃酸が逆流するだけでも症状が強く出ることから知覚過敏(ちかくかびん)が考えられます。
知覚過敏の人は、非びらん性逆流症の人に多くいるということが分かっています。
ストレスと知覚過敏は、かなり関係しているということが分かっています。
ストレスをかけると、酸に体する感じ方が上がるということが分かっています。

■胃食道逆流症の症状

・胸焼け
 胸の前のところに熱い感じがのどまで放散するような症状
・呑酸(どんさん)
 酸っぱいものがのどまで上がってくる
・胃もたれ
・吐き気
・のどの不快感

■胃食道逆流症の治療法

胃食道逆流症の治療法としては、薬物療法と生活改善があります。

●薬物療法
胃酸抑制薬(プロトンポンプ阻害薬、H2ブロッカー)

●生活改善
・脂肪、肉類を抑える
・過食を止める