食道アカラシアは逆流性食道炎と似た症状のため間違ってしまうことがあります。
食道アカラシアは食道の蠕動運動に異常が起き、食べ物が食道に詰まって胸焼けなどが起こる病気です。




■胸焼け、食道アカラシア

日本人の42.2%、約5000万人が胸焼けに苦しんだ経験があると言われています。
胸焼けには様々な原因がありますが、中には恐ろしい病も潜んでいます。

■胸焼けの名医(2012年3月時点)

兵庫医科大学病院 上部消化管科 教授
三輪洋人(みわひろと)先生

■逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)

逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)とは、食道と胃の接合部にある噴門(ふんもん)が開きやすくなってしまい、胃酸や胃の内容物が逆流して食道に炎症を起こす病気です。
逆流性食道炎の主な原因は、加齢、肥満、酒、タバコなどです。
逆流性食道炎は、日本人の6人に1人が患っていると言われています。

■食道アカラシア

食道は本来、口から入った食べ物を蠕動運動(ぜんどううんどう)で押し進め、最後に胃との接合部の噴門が開いて胃に送り込みます。
食道アカラシアは、何らかの原因で食道の下の方の括約筋(かつやくきん)が緊張し、噴門がほとんど閉じたままになってしまう病気です。
食道アカラシアは、逆流性食道炎と非常によく似ています。
食道アカラシアは10万人に1人という珍しい病気です。
逆流性食道炎に比べ、喉の詰まり感が強く現れます。
食道アカラシアでは胸焼けが起こることもあり、逆流性食道炎と間違われやすいということがあります。

■食道と蠕動運動(ぜんどううんどう)

食道は食事をしている時は閉じています。
食道は通常は閉じているので、重力だけでは食べた物は落ちていきません。
食道の蠕動運動(ぜんどううんどう)によって食道自体が動いて食べ物を胃に送り出しています。
食べ物の少し先の筋肉が緩んで、少し後が閉じて収縮するという連続により胃に運ばれます。
つまり筋肉の収縮と弛緩が連続的に起こり食べ物を胃に運んでいます。
食べ物が降りてきたら胃との接合部である噴門が開いて胃に送り出されます。
寝ていても逆立ちしても蠕動運動(ぜんどううんどう)により食べ物が運ばれます。
蠕動運動(ぜんどううんどう)に異常が起き、食べ物が食道に詰まってしまうのが食道アカラシアです。

■酸っぱくない逆流がある(食道アカラシアの症状)

逆流が胃からではなく食道そのもので起こっていることを示す症状です。

■水ですら飲み込むのが困難なことがある(食道アカラシアの症状)

食道アカラシアでは、食道と胃の境目の噴門がほとんど閉じてしまうため、水ですらつかえてしまいます。

■食事中みぞおちの上部が痛む(食道アカラシアの症状)

逆流性食道炎の場合、胃酸が逆流することで起こる痛みなので、食後や空腹時に痛むのが一般的です。
食べ物が噴門で詰まるときの痛みは食道アカラシアの特徴的な痛みです。

■食道アカラシアは内視鏡では分からない

内視鏡検査を受ける時は5時間前から食事を控えるので、詰まったところが見えないということがあります。
内視鏡検査のときは食道と胃を見るので、胃を空にする必要があります。
食道アカラシアの人でも完全に蠕動運動(ぜんどううんどう)がなくなったり、噴門が開かないということはありません。
そのため1時間程度で胃に運ばれてしまうため、5時間後に内視鏡で見ても分からないということがあります。