乳癌は乳腺にできる悪性の腫瘍です。乳癌には早期発見し治療を行うことが大切です。乳癌発見にはマンモグラフィ検査、乳腺の超音波検査、乳房MRIがあります。




■乳癌(にゅうがん)について

乳癌(にゅうがん)とは、乳腺にできる悪性の腫瘍のことです。
乳癌(にゅうがん)には大きく分けて浸潤癌と非浸潤癌の2つの種類があります。
癌が乳管内に留まっているのは非浸潤癌になり、たとえ5cm、10cmと広がっても乳管外に広がらないうちは命の心配はありません。
しかし乳管の外に出る浸潤癌になると、近くの血液やリンパから全身へと転移する可能性があるため、検診で早期に見つけることが重要になります。

■出産経験があると乳癌のリスクが低い

基本的に出産経験がある女性と出産経験がない女性と比較すると、出産経験がある女性の方が乳癌発症リスクが相対的に低いと言われています。
ただし出産経験があるから大丈夫だと安心するのは危険です。

■乳癌と乳房の大きさ

乳癌ができる乳腺は誰の乳房にもあるので、胸が大きくても小さくても乳癌になる可能性があります。

■乳癌の家族歴

近年、遺伝に関係がある乳癌が日本人に多いことが分かってきました。
乳癌全体の5%~10%と言われています。
ただし家族に癌の人がいないから心配ないということはありません。

■乳癌の出来やすい場所

乳房の外側上にできる乳癌:43%
乳房の内側上にできる乳癌:24%
乳房の外側下にできる乳癌:15%
乳房の内側下にできる乳癌:8%
乳頭部にできる乳癌:6%
乳房全体にまたがる乳癌:4%

■マンモグラフィ検査について

乳癌検診で行われるマンモグラフィ検査とは、乳房専用のレントゲン検査のことです。
乳房を圧迫板で挟んで平たくして撮影します。



■乳房の石灰化

石灰化とは乳腺内にできるカルシウムの沈着物で、癌細胞やしこりを形成する前にできることがあります。
早期の癌サインであるこの石灰化に気付かず放置しておくと、癌が進行することがあります。
最悪の場合、全身に転移して死に至ることもあります。
石灰化は早期の癌のサインともなるため、石灰化を見つけることは重要になります。

■良性と悪性の石灰化

石灰化にも良性と悪性があります。
粒が丸くまばらに広がっているものは良性であることが多いです。
粒がギザギザで1箇所に固まっている場合は悪性であることが多いです。

■マンモグラフィに向いている人、向いていない人

手で触れても分からないほど小さな乳房の変化を写し出すことができるのがマンモグラフィです。
しかしマンモグラフィには向いている人と向いていない人がいます。
マンモグラフィはX線が透過しやすい脂肪は黒く、X線が透過しにくい乳腺と癌の部分は白く写し出します。
そのため脂肪が多い人は癌の部分がくっきり分かりますが、若い人は乳腺が発達していて密度が濃いため、全体的に白っぽい画像になる人が多くなります。
たとえ胸が大きく脂肪が多くても、乳腺が発達していると癌が乳腺の白さで覆われてしまい、見つけずらくなってしまいます。
石灰化はカルシウムで出来ているため骨のようにほとんどX線を通さず、乳腺よりもさらに濃く白くうつります。
人や年齢によってマンモグラフィの写り方には大きな違いがあります。
日本人は比較的高齢でも白く写る人が多いと言われています。
マンモグラフィの向き不向きは、一度受けないと分かりません。

■乳腺の超音波検査

乳腺の超音波検査とは乳房を上から横から断面的に見ていくため、乳腺の密度に左右されることがありません。
石灰化の発見は難しいですが、触診では分からない小さなしこりなどを発見できます。
マンモグラフィに向いていない人や白く写ってしまう人は、乳腺の超音波検査も組み合わせて、1年毎に交互に行うと良いです。

■乳房専用のMRI

乳房のMRIは、他のお腹などのMRIと違って唯一うつ伏せで行う検査です。
乳房のMRI検査は、うつ伏せになってコイルと呼ばれる穴の中に乳房を入れて撮影します。
その後MRIの画像にそって怪しい部分の細胞を採取し悪性かどうか検査します。
乳房のMRI検査は非常に良く怪しい部分が分かりますが、通常は乳癌と分かった後に、手術前の細かい検査として使われるのが一般的です。
遺伝など乳癌になりやすい人は、乳房のMRI検査を最初に行うと良いかもしれません。

■乳癌セルフチェック

鏡の前に立ち、乳房の変形や左右差がないかをチェックをします。
渦を書くように手を動かし、指でしこりがないか乳房全体をまんべんなくチェックします。
さらに仰向けになり、外側から内側へ指を滑らせてしこりがないかをチェックします。
月に1回、閉経前の人は乳房がやわらかい生理後一週間ぐらいの間に行うと良いそうです。
乳癌が一番出来やすいのは乳腺の多い外側上部です。
ただし乳房であればどこにでも出来る可能性があるので、全体を調べることが大切です。