隠れ扁平足は後頸骨筋が低下しているため、着地した瞬間に足裏のアーチが崩れて衝撃による圧がかかり、その周囲の筋肉や腱が炎症を起こして痛みが生じます。隠れ扁平足が変形性膝関節症につながる危険性があります。




■扁平足(へんぺいそく)について

健康な人の足の裏付近は、横から見るとアーチを描いている部分があります。
この場所が土踏まずになります。
一方、扁平足(へんぺいそく)の人の足には土踏まずがなく、地面に対して足の裏がべったり付いています。
扁平足は長時間歩くと疲れやすく、場合によっては痛みを伴うことがあります。
扁平足は外反母趾(がいはんぼし)の原因になる危険な状態でもあります。

■隠れ扁平足について

隠れ扁平足の人は、足が着地するときに、つま先が上がっていなく、ドタンドタンとした歩き方になっている特徴があります。
隠れ扁平足の人は、着地した瞬間に足のアーチが崩れ、扁平足と同じような状態になっています。
隠れ扁平足は男女に関係なく、年々増加傾向にあります。

■扁平足の名医

高田馬場病院 整形外科
町田英一(まちだえいいち)先生

■足裏の構造

私達の足は、生まれた時は扁平足になっています。
3~4才から足の裏にアーチができ始め、10才ぐらいでアーチが完成されます。
足は大小28個の骨が腱や靱帯でつながって形成されています。
足は手と同じように色々な動きができるような構造になっています。
骨がアーチ状になっていて、立ったりしたときに体重などの衝撃がアーチにかかり、バネのように吸収してくれるような構造になっています。

■足裏のアーチと隠れ扁平足

足裏のアーチは体重などの衝撃を和らげるバネの役割をするため、足裏への負担を軽くしてくれます。
しかし隠れ扁平足になると、このバネ機能が弱まるため足裏に痛みを及ぼす原因となってしまいます。
正常な足であれば、筋肉が正常に機能するため衝撃に対応できます。
しかし隠れ扁平足になると、本来なら衝撃を受けない場所に圧がかかり、その周囲の筋肉や腱が炎症を起こしてしまいます。



■隠れ扁平足と足裏の炎症

隠れ扁平足になると、踏み込んだときに、普段なら圧のかからない場所の筋肉や腱が骨と接触したり、普段使わない筋肉までも酷使することになります。
その結果、周囲の筋肉や腱に炎症が起き痛みが生じてしまいます。
圧がかかっていないときに土踏まずがあってアーチがあるように見える人でも、立ち上がって足裏に圧がかかると、土踏まずが下がってアーチが小さくなってしまう隠れ扁平足の人がいます。

■足の筋力低下が隠れ扁平足の原因になる

足のアーチは、アーチのてっぺんを後頸骨筋(こうけいこつきん)という筋肉で引っぱり上げて支えています。
後頸骨筋(こうけいこつきん)は頸骨(けいこつ)の後ろにあり、内側のくるぶしの下の部分に走っています。
この部分の筋肉の筋や腱が前の方にいって、足のアーチを引っぱり上げています。
後頸骨筋の筋力低下でアーチが下がってしまい、隠れ扁平足になってしまいます。
後頸骨筋の筋力低下の原因は、加齢と運動不足です。

■間違った靴の履き方が隠れ扁平足の原因になる

間違った靴の履き方をしているとアーチが崩れる原因になることがあります。
足のアーチは後頸骨筋によって引き上げられていますが、ハイヒールを履くとつま先立ちの状態になってしまい、後頸骨筋を使わなくても足裏の筋膜がアーチを支えてしまいます。
ハイヒールを長期間履き続けていると、後頸骨筋が使われず筋力が低下してしまいます。
すると歩く度にアーチが崩れる隠れ扁平足になってしまいます。
また隠れ扁平足の人が足に負担をかけないように靴のヒモをゆるめたり、サンダルを長く履いたりすることは、隠れ扁平足の原因になります。
アーチが崩れはじめた状態でアーチ部分がホールドされていないと、さらにアーチが崩れ、隠れ扁平足が本当の扁平足に移行してしまいます。
この状態でダメージが現れるのは、足の裏だけではなく、膝にも現れはじめます。
足のアーチが崩れると、歩くときに足自体が横によじれるような歩き方になってしまいます。
すると足がよじれることで膝への横揺れが増し、その衝撃で膝の軟骨が擦れ合うことになってしまいます。
この状態で歩き続けることで膝の軟骨はどんどんすり減ってしまい、変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)になってしまうことがあります。

■変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)

変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)とは、膝関節でクッションの役割を果たしている膝軟骨がすり減ることで膝に痛みが生じる病気です。
加齢に伴う筋力低下や肥満が原因で起こります。
最悪の場合歩くことさえ難しくなることもあります。
変形性膝関節症は、悪化してからでは治りません。 人工膝関節などの手術が必要になります。

■かかとが擦り減った靴は足によくない

足が横によじれる歩き方になっている隠れ扁平足の人が、かかとが擦り減った履き物を履き続けていると、さらによじれて膝の横方向の衝撃が増して膝への負担が大きくなり、変形性膝関節症を悪化させることにつながってしまいます。

■扁平足や変形性膝関節症の予防改善のためには

扁平足や変形性膝関節症の予防改善のためには、早期に隠れ扁平足を見つけて膝への負担を減らすことが大切になります。
足のアーチの崩れを早期に発見し、隠れ扁平足を改善すれば、足裏の痛みも改善し、膝への負担も軽減することができます。

■靴ヒモは締め直して隠れ扁平足を予防改善

足裏のアーチの土踏まずから側背向かってを足の腰と呼び、足の腰をしっかりホールドさせることによって足のアーチは正しく矯正されます。
ヒモ靴などを履く時は、ヒモを締め直すことが大切になります。

■座った状態で行う隠れ扁平足の予防改善の筋トレ法

座った状態で片方の足を軽く組みます。
組んだ方の足の足首から横方向に力を入れ上に向け、力を抜いて戻すを繰り返します。
自分に合ったテンポで繰り返します。
回数の目安は、左右各20回を1日3セット行います。
この運動が足裏のアーチを形成する後頸骨筋を鍛える効果があります。

■立った状態で行う隠れ扁平足の予防改善の筋トレ法

両足が並行になるように肩幅程度に足を広げます。
両足首を同時に外側に傾けて戻すを繰り返します。
回数の目安は、20回を1日3セット行います。