TCHとは上下の歯が触れている状態。噛む時に使う筋肉の咬筋が働くと肩こりが起こりやすくなります。TCHは顎関節症や肩こりの原因に。意識して歯を離し、力を抜くことで肩こり解消に。




■肩こりについて

肩こりとは、姿勢の悪さ、運動不足、ストレスなどで筋肉の血流が滞り、硬くなってしまった状態をいいます。
多くの人はマッサージや半身浴などの肩こり対処法で症状を緩和しています。
しかし症状がやわらぐのは少しの間だけで、すぐにぶり返して肩こりの状態に逆戻りしてしまいます。

■TCHについて

アゴは骨が上下に分かれていますが、その接触部分がズレると肩こりの原因になると考えられています。
TCHとは Tooth Contacting Habit の略で、歯を接触させるクセのことをいい、上下の歯が軽く触れている状態をいいます。
通常は口を閉じても上下の歯は離れています。
肩こりの原因は、運動不足や姿勢の悪さなどがありますが、TCHも肩こりの原因の一つと考えられています。
歯が接触するのは、物を噛む時、会話をする時、物を飲み込むなどの時だけとされています。
ところがそれ以外の時に軽く歯が触れている人がいます。
この通常は歯が接触しない時に接触させてしまうクセをTCHといいます。
TCHをしている人は増加傾向にあります。

■TCHと咬筋(こうきん)

歯を噛み締めると、噛む時に使う筋肉の咬筋(こうきん)が働きます。
TCHは、自覚がなくても、何かに集中すると知らず知らずのうちに起きている可能性が高いとされています。
正常な人でも1日約20分くらい歯は接触しています。
これは生理的な反応として起きます。
集中作業をする時などに、長時間TCHが起こる可能性が高くなります。
洗濯、掃除などを行っている時でもTCHは起きます。

■胸鎖乳突筋と僧帽筋の疲弊が肩こりの原因

TCHが起きるのは、集中している時、ストレスを感じている時があります。
TCHで最初に影響が出るのは、顎関節(がくかんせつ)周辺になります。
噛むときに働く咬筋(こうきん)は、歯が少し接触しただけで働き始めます。
上下の歯が触り続けていると、咬筋がずっと働き続けていることになります。
すると咬筋が疲弊していき、頭を支えて回転させる時に使う筋肉の胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)も疲弊してきます。
さらには頭を支えている僧帽筋(そうぼうきん)が疲弊してきます。
僧帽筋が疲弊してくると肩こりとして意識してきます。



■顎関節症(がくかんせつしょう)

顎関節症(がくかんせつしょう)とは、顎の接触部分である顎関節(がくかんせつ)に絶えず負担がかかることで、周りの筋肉や関節に痛みが出る症状です。
ひどくなると口が開けられなくなる状態にまで陥ることもあります。

■顎関節とTCH

顎関節症の原因として最近注目されているのが、顎に大きな負担をかけてしまうTCHです。
歯と歯が触れている間中、顎関節に力をかけ続けてしまいます。
すると顎関節にある関節円盤(かんせつえんばん)と呼ばれる部分に負担がかかり出します。
これは顎関節の動きをスムーズに動かし、力を分散させるクッションの役割をしています。
この顎関節に絶えず力がかかっていると関節円盤はズレてしまうことがあります。
そしてついには関節円盤が顎関節の隙間に挟まり、口を開けようとしても開かなくなってしまいます。
無理に口を開けようとすると、上下の顎の骨に負担がかかり激痛が起こるようになってしまいます。

■顎関節円盤と滑液(かつえき)

顎関節円盤は滑液(かつえき)という循環液で覆われています。
滑液があることによって、動くときに接触面の摩擦を軽減しています。
しかしTCHによって常にに押し続けられていると、滑液が顎関節円盤などの周りに染み込み、少なくなってしまいます。
すると接触面の摩擦が強くなり、力がかかることでズレが生じてしまいます。
顎関節円盤がズレるサインとしては、顎を動かすと音がするようになります。
顎関節円盤がズレたら手術で元に戻す方法がありますが、TCHがあるとまたズレてしまう可能性が大きいので、TCHかどうかを早期に見つけて改善することが大切になります。

■TCHチェック

手鏡を用意します。 口を大きく開けて下をアッカンベーのように出します。
舌のヘリを鏡で確認します。
舌のヘリがボコボコしていたらTCHの可能性があります。
歯と歯が接触していると、舌が歯に当たってしまうため、舌に歯型が残ってしまいます。

■TCH改善、肩こり解消法

「歯を離す、力を抜く」などと書いた張り紙を、家の中に最低でも10枚以上用意して貼ります。
頻繁に出入りする場所に集中的に貼ります。
歯を噛むクセを効果的に治します。