動悸(どうき)とは心臓の拍動を不快に感じること。安静にしても鼓動がより速く激しくなり、そして目の前が暗くなる場合は心室頻拍(しんしつひんぱく)の可能性が。安静時に突然鼓動が速くなり、それが不規則な場合は心房細動(しんぼうさいどう)の可能性が。動悸と共に胸に圧迫感が生じるときは、狭心症(きょうしんしょう)や心筋梗塞が隠れている可能性が。動悸予防の肺のストレッチは痛く感じるまでは伸ばさず、気持ちの良い程度でとどめるのがポイントです。

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■動悸(どうき)

動悸(どうき)とは心臓の拍動を不快に感じることです。
だいたい7~8割の動悸(どうき)は心配の無い動悸(どうき)とされています。
しかし中には命の危険に関わる危険なものがあります。
心臓は安静時、1分間に60~70回程度鼓動をします。
1日では約10万回で、そのうち10秒でも止まっていると死につながる危険があります。
軽い運動で心拍数が120まで上がるのは問題がります。
坂道や階段で動悸を感じるのは加齢による肉体的な衰え。
加齢による動悸は心臓だけに問題があるのではありません。

■動悸の名医(2011年6月時点)

北里大学 北里研究所病院 副院長 循環器内科部長
赤石誠(あかいしまこと)先生

■心室頻拍(しんしつひんぱく)による動悸

心室頻拍(しんしつひんぱく)とは、心臓の下側にある心室が突然興奮し始め、脈拍が毎分150回以上に早まり、最悪の場合に突然死を引き起こす病です。
心室頻拍(しんしつひんぱく)は心臓病が原因になることが多いのですが、心臓に異常がなくても無理な運動やストレスが引き金で発症するときもある、誰もが注意すべき病です。
そもそも心臓は、その上部にある洞結節(どうけっせつ)という細胞が規則的に電気信号を送ることで収縮を繰り返しています。
しかし急に激しい運動をすると洞結節(どうけっせつ)だけではなく、心室からも異常な電気信号が発生するため、激しい動悸が起こってしまいます。
安静にしても鼓動がより速く激しくなり、そして目の前が暗くなる場合は心室頻拍(しんしつひんぱく)の可能性があるため注意が必要です。

■心房細動(しんぼうさいどう)による動悸

心房細動(しんぼうさいどう)とは、心臓の上部にある心房が突然興奮し不規則に細かく振るえ、規則正しく収縮できなくなる病です。
主な原因は加齢や高血圧で、心臓が除々に肥大することです。
心臓の電気信号が不安定になり発症すると考えられています。
さらに発症の引き金になるのが「ストレス」です。
心臓はストレスに反応する自律神経が多く張り巡らされている臓器です。
そのためストレスを感じると心臓の負担となり、異常な電気信号が発生してしまいます。
特に日中に強いストレスを受けた人は、夜フッと緊張が取れた瞬間に異常な電気信号が発生しやすいと考えられています。
安静時に突然鼓動が速くなり、それが不規則な場合は心房細動(しんぼうさいどう)の可能性があるので注意が必要です。
心房細動は心房に血栓が出来やすく、この血栓が頭に飛んでいき脳梗塞が起きる可能性があります。

■心房細動の症状

息苦しさ、胸が痛い、動悸
動悸を感じた場合は心臓に問題がないか詳しい検査を受けることが大切です。

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■狭心症(きょうしんしょう)による動悸

狭心症(きょうしんしょう)とは、心臓の筋肉に血液を送る大切な血管、冠動脈(かんどうみゃく)の動脈硬化が原因です。
冠動脈(かんどうみゃく)が動脈硬化で細くなると、心臓の筋肉に運ばれる酸素や栄養分が不足し、心臓の機能が低下してしまいます。
その結果、心臓の電気信号が乱れ、動悸や胸の圧迫感などが引き起こされます。
動悸と共に胸に圧迫感が生じるときは、狭心症(きょうしんしょう)や心筋梗塞が隠れている可能性があるので注意が必要です。

■肺機能の衰えからくる動悸

動悸を感じている人の多くは、加齢によって起きる動悸です。
実はこの動悸は心臓だけの問題ではなく、肺にも大きな原因がひそんでいる可能性があります。
酸素を吸い込んで肺に行き、血液の中に入って体中に回っていきます。
もし肺の機能が衰えて酸素が十分に取り込めないと、抹消では酸素が欲しいために全身から酸素を求める信号が出ます。
すると心臓は鼓動を速くします。
呼吸の機能の衰えが起きると動悸が起きやすくなります。

■呼吸筋(こきゅうきん)が肺の機能が衰える原因

呼吸筋(こきゅうきん)とは、横隔膜などの肺を取り巻く筋肉の総称です。
もともと肺は自分で拡張したり収縮したりできません。
つまり呼吸筋がないと呼吸できません。 私達が呼吸をする時、まずこの呼吸筋の働きで胸が広がります。
すると肺の中の圧力も下がり、空気が肺の中に入ってきます。
そして今度は呼吸筋が肺をしぼませ空気を押し出します。
私達はこれを繰り返しながら肺の空気を出し入れしています。
ところが加齢と共に呼吸筋は固まり、しっかり広がらなくなってしまいます。
さらに脳と筋肉の信号のやり取りもうまくいかなくなり、よりいっそう胸が広がらなくなってしまいます。
その結果、肺が十分な酸素を取り込めなくなり、全身に送る酸素の量が減少してしまいます。
それを補うため心臓は速く鼓動し、動悸や息切れを起こしてしまいます。

■機能的残気量

そもそも肺は毎回呼吸をするとき、肺に入った全ての空気を吐き出しているわけではありません。
呼吸をしたとき肺に残った空気の量を機能的残気量と言います。
呼吸筋が衰え上手く収縮していないと、この機能的残気量が多くなってしまいます。

■動悸予防につながる肺機能改善法

●息を吸いやすくする肺のストレッチ 肋間筋と首を伸ばす
両手を胸に当てます。
そのさいヒジは開かずに力を抜きます。
次にそのままゆっくり息を吐きます。
息を吐き切ったらゆっくり息を吸い、呼吸で持ち上がる胸を押し下げるようにします。
息を吸い切ったら元の姿勢に戻しながら息をゆっくり吐きます。
この動きを5回繰り返します。

●息を吐きやすくする肺のストレッチ 肋間筋と腹筋群を伸ばす
片方の手を頭の後ろに当て、反対の手は腰に当てます。
この状態でゆっくりと息を吸います。
吸い切ったら今度は息を吐きながら頭に当てたヒジを持ち上げるように身体を横に反らします。
続いて息を吸いながら身体を元に戻します。
この動きを5回繰り返したら反対側も行います。

●息を吸いやすくする肺のストレッチ 胸と背中の筋肉を伸ばす
肩幅ぐらいに足を開きます。
手を組んでお腹の前に当てます。
息をゆっくり吸います。
息をゆっくり吐きます。
息を吸いながら手を伸ばし背中を丸めます(背中を丸めるときはヒザを軽く曲げます)
息を吐きながら元の姿勢に戻ります(手を伸ばしたときにおへそを見る感じで)

●息を吐きやすくする肺のストレッチ 胸の前側の筋肉を伸ばす
肩幅に足を開き、手を後ろに腰の高さで組みます(手の平は天井に向けます)
息を吸いながら肩を前に閉じる感じで出します。
息を吐きながら手を後ろに離して胸を前に出します。
息を吸いながら元の姿勢に戻ります。

呼吸とストレッチが逆になると効果が得られないので要注意です。
4つの肺のストレッチを5回ずつ、1日3回行います。
痛く感じるまでは伸ばさず、気持ちの良い程度でとどめるのがポイントです。

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