ヘルペスウイルスは一度感染すると一生体に棲みつくウイルスですが、適切な予防や治療によってコントロールすることができる病気です。
日頃から免疫力を低下させないように生活のリズムを安定させ、症状が出たときは早めの治療を行うことが大切です。
抗ヘルペスウイルス薬には飲み薬、塗り薬、点滴があり症状によって使い分けます。
ヘルペスウイルスを発症したときは幹部に触れないようにし、幹部に触れた場合は石鹸で洗い流しましょう。
ストレスや疲れをためないようにすることも大切です。




■ヘルペスウイルスについて

ヘルペスウイルスは唇、口内、目の角膜、性器、臀部などの場所に症状が出やすい特徴があります。
ヘルペスウイルスは一度感染すると症状が治まっても神経にある神経節などに潜み続けます。
普段は免疫が見張っているので症状が出ませんが、カゼや疲労などで体の免疫力が低下すると再び活動を再開して水ぶくれなどの症状を引き起こします。

■人に感染するヘルペスウイルス

・単純ヘルペスウイルス1型
・単純ヘルペスウイルス2型
・水痘・帯状疱疹ウイルス
・エプスタイン・バーウイルス
・サイトメガロウイルス
・ヒトヘルペスウイルス6
・ヒトヘルペスウイルス7
・ヒトヘルペスウイルス8

大人になるまでに感染して神経節などに潜んでいます。

■水痘・帯状疱疹ウイルス

初めて感染すると水ぼうそうとして発症し、大人になり再発したときには帯状疱疹(たいじょうほうしん)として現れます。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)は痛みを伴うのが特徴です。
多くの場合、帯状疱疹(たいじょうほうしん)にかかるのは一生に一回といわれています。
まれに再発することもありますが軽くて済みます。

■単純ヘルペスウイルス1型・2型

帯状疱疹と同じように水ぶくれを発症しますが、痛みが弱いかわりに再発を繰り返すという特徴があります。

●単純ヘルペスウイルス1型
単純ヘルペスウイルス1型は主に唇の周りや目の角膜など顔や上半身で再発を繰り返します。
30歳で約50%の人が感染し、再発の頻度は年に2回程度になります。

●単純ヘルペスウイルス2型
単純ヘルペスウイルス2型は主に性器や臀部(でんぶ)など下半身で再発を繰り返します。
2〜10%の人が感染していて、再発頻度が高く、男性で1年に12回程度、女性で1年に7回程度になります。

■単純ヘルペスウイルスの感染経路

単純ヘルペスウイルスの感染経路には、水ぶくれがある人との接触感染、ウイルスが付いた物を介した感染があります。
通常ウイルスが肌についただけでは感染しません。
皮膚の傷・湿疹などがあり、皮膚のバリア機能が弱っている場合に感染しやすくなります。
また粘膜から感染しやすいといわれています。
お風呂のお湯を介して感染するということはありません。
ヘルペスウイルスは比較的熱に弱く、大量のお湯で薄まるということがあります。
性器にヘルペスの症状が出ているときはその部分のバリアが低下しているので、他の性感染症の感染リスクが高いので注意が必要です。

●単純ヘルペスウイルス1型の感染経路
ほおずりやキスなどの接触感染
食器やタオルなどの物を介した感染

●単純ヘルペスウイルス2型の感染経路
多くは性行為などの接触感染
タオルなどの物を介した感染



■ヘルペスウイルスの再発予防ポイント

・ストレスや疲れをためない
・紫外線を避ける
・スキンケアをする

免疫力が低下していると感染しやすいので、普段からストレスや疲れをためない。
皮膚の免疫力を下げるような紫外線を避けるなどして日頃から免疫力を下げないように気をつける。
屋外でスポーツをして紫外線を浴びると症状が再発しやすい人は、あらかじめ紫外線対策を行うことが大切です。
肌荒れや皮膚炎のある人は普段からスキンケアをすることが大切です。

■抗ヘルペスウイルス薬によるヘルペスウイルスの治療法

ウイルスの増殖を抑え、水痘・帯状疱疹ウイルスにも効きます。
症状によって飲み薬、塗り薬、点滴を使い分けます。
飲み薬が治療の基本になります。
抗ヘルペスウイルス薬はウイルスの増殖は抑えてくれますが、体の中から無くしてしまうことは出来ません。

●飲み薬による抗ヘルペスウイルス薬
飲み薬:バラシクロビル、ファムシクロビル、アシクロビル
飲み薬はウイルスの増殖が盛んな時期に使います。
再発を繰り返している人には体内のウイルスに効いて症状が軽く治まります。

●塗り薬による抗ヘルペスウイルス薬
塗り薬:アシクロビル、ビダラビン
塗り薬は治りかけの場合や症状が軽い場合に使います。
ただし塗り薬は皮膚に出てきたウイルスにだけしか効果がありません。

●点滴による抗ヘルペスウイルス薬
点滴:アシクロビル、ビダラビン
点滴はウイルスが全身に広がって発熱した場合、ただれや痛みが激しい場合に使います。

■再発抑制療法によるヘルペスウイルスの治療法

性器にヘルペスを年6回以上再発する人は、症状が出てない日でも通常の半分の抗ヘルペスウイルス薬を毎日服用して再発を防ぐ治療を行います。
毎日服用することであらかじめウイルスの再発を防ぐことができます。
単純ヘルペスウイルス2型は再発することが多く、他の人への感染を心配することも多くあります。
現在は薬である程度ウイルスをコントロールすることが出来るようになってきています。

■発症時の注意点

症状が出ているときには患部ウイルスが多くいるのでそこに触れないようにすることが大切になります。
触れることによって体の別のところに移してしまったりします。
特に傷や粘膜からは感染しやすいので注意が必要です。
患部に触れてしまった場合は石鹸で洗うようにしましょう。

■感染に注意が必要な人

・アトピーなどの皮膚炎がある人
・新生児
・抗がん剤などで免疫力が極端に低下している人

■感染を防ぐポイント

●接触感染を防ぐ
ほおずり、キス、性行為をしない。

●物を介した感染を防ぐ
食器やタオルを分けて使い、洗剤で洗う。