1分以内でおさまるめまいもありますが、中には命に関わる病気が隠れているめまいもあります。
良性発作性頭位めまい症によるめまいは数分で治まりますが、メニエール病によるめまいは時間が数十分から数時間続くことがあります。
めまいの原因は耳だけではなく首・脳。心臓など様々な原因で起こります。
めまいが起こったらまずは脳からくる症状があるかどうかチェックします。
しびれ、ろれつ、二重に見えるなどの症状があった場合は脳梗塞や脳腫瘍の疑いがあります。
脳の異常がない場合は耳の異常があるかどうかチェックします。
耳鳴り、詰まった感じ、聞こえが悪いなどに加えてめまいの症状があった場合はメニエール病の疑いがあります。
耳の異常もない場合は良性発作性頭位めまい症によるめまいが疑われます。




■良性発作性頭位めまい症について

良性発作性頭位めまい症は、めまいの中では最も多いめまいです。
良性発作性頭位めまい症とは、人間の体のバランスは耳の奥の内耳(ないじ)という部分の働きで保たれています。
中でも三半規管(さんはんきかん)と耳石器(じせきき)が重要な働きをしていて、リンパ液という液体で満たされています。
三半規管は中を通る液体の流れを、耳石器は耳石という石の動きを感知することで現在の頭の動きや傾きの状態を脳に伝えています。
しかしこの耳石器の一部がちよっとした刺激や老化によって剥がれ三半規管へ入ってしまうことがあります。
すると耳石は液体の中を流れていき実際の頭の動きとは関係ない流れを作り出してしまいます。
その結果、頭は止まっていてもゆれているという信号が脳に送られてしまいます。
すると耳から間違った信号を受け取った脳は目に信号を送り、目が回ってしまうような動きが起こり、視界が回転してしまうような激しいめまいが起こります。

耳石が少し剥がれることは誰にでもあり、耳石は剥がれても吸収・再生されます。
しかし剥がれた耳石が集まって大きくなってしまうことがあります。
この大きくなった耳石が三半規管の中で動くとめまいが起こります。

■良性発作性頭位めまい症の治療法

三半規管に入った耳石のかけらを元の耳石器に戻します。
三半規管は3つの半規管というリング状の管でできています。
この3つのリングのうちどこに入ったかによって目の動きが変わるため今耳石がどこにあるかが分かります。
耳石の位置が分かったら頭を動かして耳石を元の位置に戻します。
耳石が戻った場合は劇的に治ります。
8〜9割はこの治療でよくなります。

■めまいで脳の病気を疑う場合

・顔や手足のしびれ・まひ
・ろれつがまわらない
・物が二重に見える
・立てない・歩けない

めまいに加えて上記の症状がある場合は急いで脳神経外科や神経内科を受診しましょう。
緊急の場合は救急車を呼んだ方がよいです。

■治りづらい良性発作性頭位めまい症

三半規管の中にはクプラというゼラチン状の部分があります。
このクプラに耳石がくっ付いてしまう場合があります。
こうなると治りづらいといわれていました。

■治りづらい良性発作性頭位めまい症に良い方法

耳に入った水を抜くときのように首を傾けて片足ジャンプを行います。
左右10回ずつ、1日1回以上気づいたときに行います。
店頭などしないように壁に手をついて行うとよいです。

■良性発作性頭位めまい症になりやすい人

・寝相が良い人
・50代以降の女性

長時間同じ姿勢を取るため、剥がれた耳石が同じ場所に集まりやすくなります。
50代以降の女性は、骨粗しょう症によるカルシウム不足で耳石が剥がれやすくなります。

■寝返り運動でめまい予防

枕に頭を乗せて仰向けになります。
そのまま10秒間キープします。
右を向いてを10秒間キープします。
仰向けになって10秒間キープします。
左を向いて10秒間キープします。
仰向けに戻ります。
朝晩10セットずつ行います。

良性発作性頭位めまい症は再発率が20〜30%あり、予防と対策が重要になります。
耳石を分散させておくことが予防につながります。



■めまい再発予防法

●枕を少し高めにする
首が痛くならない程度で枕を高くすると予防につながります。

●カルシウムの摂取
カルシウムの多く含んだもの食べるとよいです。
またビタミンDやビタミンKも摂ると吸収がアップします。

■メニエール病によるめまい

内耳にはカタツムリのような形をした蝸牛(かぎゅう)という器官があります。
蝸牛は外リンパ液と内リンパ液で満たされています。
耳から入ってきた音を液体の振動に変えることで、脳に伝える音のセンサーの役割をしています。
メニエール病は、何らかの原因で内リンパ液が溜まり過ぎてしまう病気です。
メニエール病のい激しいめまいや耳の痛みは、この内耳の状態が関係していると考えられています。
メニエール病の本質的な原因はまだ分かっていませんが、ストレスを誘因として発症すると考えられています。
強いストレスが加わっている期間の後に発症しやすいといわれています。

■メニエール病を疑う場合

・めまいが10分以上続く
・耳鳴り
・耳が詰まった感じ
・耳の聞こえが悪い

長時間のめまいに加えて上記の症状がある場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
メニエール病は進行性の病気のため、早期発見が重要になります。
治療が遅れると難聴が残る危険性があります。

■メニエール病の治療法

●利尿剤などの薬物療法
●ストレスをためないような生活指導
●有酸素運動

●水分摂取療法
水分が不足して体が脱水状態になると脳からバソプレッシンというホルモンが分泌されます。
バソプレッシンはこれ以上水分が外に出て行かないように体内に水分を溜め込む働きをするホルモンです。
しかしメニエール病になると内耳でバソプレッシンが働き過ぎてしまうため内耳に水分が溜まりやすくなっています。
そのため水分を積極的に摂取してバソプレッシンが働き過ぎない環境を作ることで内耳に水分が溜まらないように治療します。
心臓と腎臓に負担がかかるので必ず専門医の指導のもと行うようにしましょう。

●プールでの水中運動
プールに入ると水圧がかかり体が圧迫されて内耳の血流改善効果が高くなります。